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莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

雪ブームに沸く中国人に、
日本の雪国は今こそ観光PRを

莫 邦富 [作家・ジャーナリスト]
【第242回】 2015年1月29日
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日本ならではの情緒ともてなしで、中国人にアピール

 今年で私は日本に来て30年になった。中国の文革時代に、まだ10代の私は数十万人もの同世代の若者とともに、黒竜江省に移住した。否応なしに雪国の生活を体験させられた。摂氏零下38度の夜にも、野良仕事に出なければならなったりしていたので、雪国の生活には極度の恐怖感をもっている。

 黒竜江省時代の雪に関する記憶は大変さばかりのものだった。雪を楽しむという発想も気力も経済力もなかった。厳しい北国の風雪に歯を食いしばって耐えながら、毎夜のように温かい故郷江南の緑を夢見ていた。それが黒竜江省の冬に対する私の記憶である。

 しかし、日本に来てから、雪と雪国の生活に対してかなり印象が変わってきた。スキーを楽しんだり、雪原を疾走する電動橇に乗ったりすると、寒さを忘れ、興奮してしまうといった体験を何度もした。とくに、しんしんと雪が降るなか、露天温泉に浸りながら、日本酒の熱燗を飲む楽しさは病みつきになった。

雪国観光で人気の東北部で
ぼったくりが横行

 遅蒔きながら、観光ブームに沸く中国にも、雪と雪国を楽しむ観光商品が登場した。オンドルの民宿がとくに人気を博している。そこで「中国の雪国」と持ち上げられる黒竜江省牡丹江地区の大海林林業局に属する双峰林場に関するニュースに、私の目は奪われた。

 そのニュースによれば、貴州省出身のある観光客が娘を連れて、その雪国を旅行した。そこで宿泊した民宿では、トイレがついているオンドルのスタンダードルームに一泊した。しかし、3200元も取られた。いまの為替レートで言えば、6万数千円になる。日本の超高級ホテル並みの料金に相当する。

 しかも、そればかりではなく、インスタントラーメンは一個15元なのに、お湯を入れてもらうだけでお湯代を10元(約200円)請求された。文句を言うと、出ていけと民宿の経営者に怒鳴られる。

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莫邦富(モー・バンフ) [作家・ジャーナリスト]

1953年、上海市生まれ。85年に来日。『蛇頭』、『「中国全省を読む」事典』、翻訳書『ノーと言える中国』がベストセラーに。そのほかにも『日中はなぜわかり合えないのか』、『これは私が愛した日本なのか』、『新華僑』、『鯛と羊』など著書多数。


莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

地方都市の勃興、ものづくりの精度向上、環境や社会貢献への関心の高まり…中国は今大きく変わりつつある。先入観を引きずったままだと、日本企業はどんどん中国市場から脱落しかねない。色眼鏡を外し、中国ビジネスの変化に改めて目を凝らす必要がある。道案内人は日中を行き来する中国人作家・ジャーナリストの莫邦富氏。日本ではあまり報道されない「今は小さくとも大きな潮流となりうる」新発見を毎週お届けしよう。

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