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China Report 中国は今

新免税制度で中国人観光客の買い物消費が3倍にも!
「ショッピングツーリズム」で日本文化を発信

姫田小夏 [ジャーナリスト]
【第162回】 2014年10月10日
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 2013年、訪日外国人旅行者数が1000万人を超えた。2020年の東京五輪に向け、訪日外国人旅行者がもたらす経済効果に期待が集まるが、それに先立ち、10月1日、外国人旅行者向け消費税免税枠が大幅に拡大された。食品や薬品、化粧品などの消耗品を含めたすべての品目が新たに免税対象となったこの制度改正で、各地の小売店舗がにわかに活気づいた。

 制度施行と国慶節の休暇が重なったせいもあり、銀座4丁目ではショッピングバッグを持つ中国人観光客の姿が目立った。銀聯カード使用による消費は、2014年10月1~7日の期間だけでも前年同期比3倍にもなった。

 三越伊勢丹の銀座店は、中国人を含む訪日客が最も多い店舗の1つ。10月1日からは免税カウンターの座席を増やすなどして、応対に臨んだ。「それでも30分待ちの状態が3時間も続いた」(三越伊勢丹ホールディングス広報 塚田理恵子さん)と言う。その日の売上げは前年比230%増、売上げの2割を外国人観光客が占めた。

中国人訪日客にもアピール力を発揮した資生堂の「赤い箱」 Photo by Konatsu Himeda

 その中でも大きく動いたのが化粧品だ。都心の百貨店では特に化粧品の販売に力が入れられた。売り場ではスキンケアをセットにした資生堂の「赤い箱」が訪日客の目を引いた。もともと資生堂は中国人にとっての人気ブランドであり、女性の買い物リストには欠かせないアイテムだったが、さらに免税となったことで購入意欲を高めたようだ。資生堂広報部の永井正太郎さんは「まだ集計途上だが、前年を大きく上回る実績を出した」と語る。

 ちなみに、百貨店の化粧品売り場では、携帯電話で品番を確かめながら商品を選ぶ中国人男性も目についた。中国人の場合、化粧品の購入者は女性とは限らないのだ。サーチナ総合研究所営業部長の村本季彦さんは「中国では、女性にねだられて男性が化粧品を購入することが多いのが特徴で、女性以上に化粧品ブランドを熟知している男性もいます」とコメントする。

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姫田小夏 [ジャーナリスト]

ひめだ・こなつ/中国情勢ジャーナリスト。東京都出身。97年から上海へ。翌年上海で日本語情報誌を創刊、日本企業の対中ビジネス動向を発信。2008年夏、同誌編集長を退任後、「ローアングルの中国・アジアビジネス最新情報」を提供する「アジアビズフォーラム」主宰に。語学留学を経て、上海財経大学公共経済管理学院に入学、土地資源管理を専攻。2014年卒業、公共管理修士。「上海の都市、ビジネス、ひと」の変遷を追い続け、日中を往復しつつ執筆、講演活動を行う。著書に『中国で勝てる中小企業の人材戦略』(テン・ブックス)、共著に『バングラデシュ成長企業 バングラデシュ企業と経営者の素顔』(カナリアコミュニケーションズ)。

 


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90年代より20年弱、中国最新事情と日中ビネス最前線について上海を中心に定点観測。日本企業の対中ビジネスに有益なインサイト情報を、提供し続けてきたジャーナリストによるコラム。「チャイナ・プラス・ワン」ではバングラデシュの動向をウォッチしている。

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