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2015年2月17日
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松岡真宏 [フロンティア・マネジメント株式会社 代表取締役]

時間資本主義がやってきた! ビジネスパーソンだけでなく主婦も学生も
“時間のオーナー”になれば人生が変わる
インタビュー:松岡真宏さん(フロンティア・マネジメント代表取締役)

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電車の乗り継ぎに5分あったら、あなたは何をしますか? スマートフォンでメールをチェックするか、駅ナカのパン屋に寄るか……そう一瞬迷うぐらい、5分ほどの“すきま時間”でこなせることが10年前と比べて劇的に増えました。こうして「時間価値」が高まったことで、私たちの価値観や行動パターンも自然と変化しているようです。『時間資本主義の到来』(草思社)では、それら環境変化の背景とともに、消費者行動の変容と重宝される商品・サービス、ひいては個人の働き方・生き方への影響に至るまでが多面的に分析されています。著者の松岡真宏さん(フロンティア・マネジメント代表取締役)に、改めて「時間価値」という概念やその背景、それを踏まえたよりよい生き方のヒントについて聞きました。

−−−−「時間価値」に着目したきっかけは、若手クライアントとの会話だったそうですね。主婦の間で「すすぎ1回」で済む洗剤がはやっている、という話題から、業務の効率化で得られる“すきま時間”の価値の急上昇に着目されたとか。

 そうです。ITの発達によって短時間でもできることが増えたために、家事時間の10分という何かをするには一見短すぎる“すきま時間”が、貴重で有用な時間になりつつあるんだな、という話になりました。

 ちょうど、自分自身でも時間の使い方が変わってきたのを実感し始めたときでもあったんです。

 というのも、弊社では従業員150人で顧客企業の経営コンサルティングやM&Aアドバイザリー、再生支援に当たっていますから、毎日のように10〜20件もの稟議書が上がってきます。そこで、迅速に対応できるように、ひとり1台スマートフォン(スマホ)を持つ体制を整え、稟議も電子化しました。結果、世界中どこにいても空いた時間でメールのチェックや稟議の決済ができるようになり、最初は便利だなあと思っていたんですよ。まさに「すきま時間」の価値向上ですよね。

 でもそのうち私自身が、移動中のすきま時間や土日で時間の余裕があるときにはずっとスマホをのぞき込むようになっていて、ふと「昔はタクシーの中で、もっと考えごとができていたよなあ」と思い出しました。以前はさして重要視していなかった細切れの時間が、知らないうちに埋められている。私も40代後半になって人生の残り時間を意識するなかで、限りある時間を有効に使えているのか、と疑問を感じ始めた頃だったのです。

−−−−「時間価値」が高まってきた背景には、高齢化や都市化など複数の要因が絡み合っていますが、特にスマホに代表される携帯型情報通信端末の影響力の大きさを指摘されています。

 情報化の波はずっと昔から押し寄せていましたが、基本的には「オフィス」か「自宅の書斎」という閉じられた空間での出来事でした。それが、スマホの登場によって、空間さえも外に持ち出せるようになったインパクトは非常に大きかったと思います。

 私自身の経験でいっても申し上げたとおり、スマホを持って人間に課されてきた「時空」という制約が薄弱になったことを機に、「公」である仕事が「私」のプライベート時間に洪水のようになだれこんできた感覚でした。

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松岡真宏(まつおか・まさひろ) [フロンティア・マネジメント株式会社 代表取締役]

東京大学経済学部卒業後、野村総合研究所やUBS証券などで流通・小売り部門の証券アナリストとして活動。UBS証券で株式調査部長に就任後、金融再生プログラムの一環として設立された産業再生機構に入社し、カネボウやダイエーの再生計画策定を担当。両者では取締役に就任し、計画実行に携わる。2007年に弁護士の大西正一郎氏と共同でフロンティア・マネジメント株式会社を設立し、共同代表に就任。国内外で経営コンサルティング、M&A助言、企業再生を軸とした経営支援を行う。著書に『小売業の最適戦略』(日本経済新聞出版社)、『百貨店が復活する日』(日経BP社)、『問屋と小社が復活する日』(同)、『逆説の日本企業論』(ダイヤモンド社)、『ジャッジメントイノベーション』(同、共著)ほか多数。事業再生実務家協会会員。


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