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話題のホンダの電動一輪車
真の狙いは“究極のバイク”

週刊ダイヤモンド編集部
2009年10月20日
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 一輪車なのに、倒れない。進みたい方向に体を傾けるだけで、前後左右、斜めにも進むことができる。しかも、駆動は電動式。

 そんな乗り物が、10月24日から千葉・幕張メッセで開催される「第41回東京モーターショー」に出展される。

 この一輪車は、ホンダの「U3‐X」。二足歩行ロボット「ASIMO」のバランス制御技術を用いた新しい乗り物だ。

 高さは65センチメートル、重さは10キログラム以下。リチウムイオン電池を搭載し、フル充電で1時間走る。最高速度は時速6キロメートルと歩行速度と同程度のため、電動車椅子と同様に免許は不要。乗車時の目線も歩行者に近く、一輪車なので、スペースも取らない。「人と自然に共存し、調和できる乗り物」(伊東孝紳社長)である。

 もっとも、肝心の「使い道」ははっきりしない。倒れないとはいえ、一輪車なので、高齢者には操縦が難しい。遊びや趣味の乗り物としても、それほど需要があるとは思えない。単なる「技術披露」が主たる目的なのだろうか。

 「小さく生んで、大きく育てる」。これがホンダの“伝統芸”である。対外的には、明らかにされてはいないが、ホンダ関係者によると、この一輪車の目的は“究極のバイク”づくりにあるという。つまり、停車時に足で支えなくても倒れない、新しい電動バイクの開発である。この技術を使えば、小柄な女性でも大型バイクに難なく乗ることができる。左右、斜めにも進むので、駐車の諸動作も楽々できるというわけだ。

 思えば、福井威夫前社長は、退任時に「スーパーカブを抜くような夢のバイクを開発できなかったのが無念」と語った。“夢のバイク”“究極のバイク”づくりは、福井前社長に負けず劣らずのバイク好きとして知られる伊東社長にとっても大きな目標である。
 “究極のバイク”の種子となった電動一輪車のバランス制御技術。将来、無事に実を結ぶのだろうか。

(『週刊ダイヤモンド』編集部 山本猛嗣)

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