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莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

日本製品は、もっと中国人に響くブランド戦略を

莫 邦富 [作家・ジャーナリスト]
【第245回】 2015年2月19日
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 前回、中国出張を終えて日本に戻る前日に、母から珍しく買い物を頼まれた。「保温できる湯呑用の魔法瓶みたいなものがほしいが……」と。そして、なんとかというマークがついているものだと教えてくれた。日本語も英語もわからない母はこういう形でブランドを指定した。びっくりしながら、母からのこのめったにない依頼をむしろ喜んで引き受けた。

 のちに、旧正月の家族団らんに顔を出すために上海に帰る妻は6個の保温マグをお土産品としてスーツケースに入れた。そのスーツケースにその他の日常品も入っている。その多くは親戚へのお土産だ。お土産品とはいえ、事前に中国国内の好みを確かめたうえで購入したものだ。その好みの一つはブランドだ。

 友人から馬油のハンドクリームの購入を頼まれたことがある。お安い御用だと思ったら、それもブランド指定だったため、入手するのに一苦労した。

中国人消費者の
ブランド志向が強まった

 考えてみると、わが家で使われている保温マグは購入する際、ブランドをチェックしなかった。デザイン、色、価格がチェックポイントだった。どの会社が作ったのかはそれほど問題にしていなかった。上海の家で使っている保温マグも海南島に進出した会社の忘年会に参加したときもらったものだ。どのメーカーかは覚えていない。確認していなかったからだ。

 だから、中国のある変化に気付かせられた。消費者がブランドを重視する傾向を強めたのだ。こうした例は枚挙に暇がないほどある。花王のオムツがたいへんな人気だ。都内の中華レストランの壁にまでそれを求める張り紙が貼られているほどだ。しかし、他社の同類製品を勧めると、反応が一気に鈍くなる。中国人消費者はこの頃、日常生活品のブランドにこだわりすぎるほど敏感になってきた、と言えよう。

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莫邦富(モー・バンフ) [作家・ジャーナリスト]

1953年、上海市生まれ。85年に来日。『蛇頭』、『「中国全省を読む」事典』、翻訳書『ノーと言える中国』がベストセラーに。そのほかにも『日中はなぜわかり合えないのか』、『これは私が愛した日本なのか』、『新華僑』、『鯛と羊』など著書多数。


莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

地方都市の勃興、ものづくりの精度向上、環境や社会貢献への関心の高まり…中国は今大きく変わりつつある。先入観を引きずったままだと、日本企業はどんどん中国市場から脱落しかねない。色眼鏡を外し、中国ビジネスの変化に改めて目を凝らす必要がある。道案内人は日中を行き来する中国人作家・ジャーナリストの莫邦富氏。日本ではあまり報道されない「今は小さくとも大きな潮流となりうる」新発見を毎週お届けしよう。

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