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フロネシス 10年先を見据えてビジネスを組み立てる実践知

イノベーションと自由のホントの関係(後編)

フロネシス特別インタビュー:三菱総合研究所理事長・小宮山宏

フロネシス編集部
2015年3月16日
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人工物が量的な飽和に向かうなか、今後の成長余地を、どのような価値に見出すべきなのだろうか。モノの価値から体験価値を重視する変化を「創造的需要」と呼び、さまざまな局面でこの変化が始まっていることを示した前回に続き、その創造的需要をビジネスとしていかにして捉えていくかについて、三菱総研理事長の小宮山宏氏に話を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド社・岩崎卓也、フリーランスライター・奥田由意)

自由からイノベーションが生まれない理由

――新しい需要を生むには人と人との交流、インタラクションが欠かせないように思われます。

小宮山:もちろんです。サービスイノベーションは人と人の掛け算です。なるべく大きな規模で異質の知が交差、交錯する場をつくることが大切です。

 知の交差、交錯とは、人と人との関わり、技術と技術の関わり、人と技術の関わり、それらを全て含むものです。異分野の者同士も交わることのできるような、自由で大きな枠組みで、そうしたインタラクションを喚起していくべきです。

 アインシュタインは天賦の才に恵まれていましたが、その天分もひとりでに花開いたわけではありません。同時代の俊英、俊才たちとの交流、科学者だけにとどまらず、他の分野の学者や芸術家も含めてですが、そうした活発な交流の中で、天才的なアイデアがアインシュタインに胚胎したのです。

 アインシュタインがトーマス・マンにカフカの小説を借りて、後日マンから感想を求められ「読み通せなかったよ。人間の頭脳はそこまで複雑にできてはいないからね」とうそぶいたという逸話もあります。

 同業者だけで固まるのではなく、異分野同士の知の交差を進めなくてはなりません。

――いろいろな意味で人々が自由になった今の時代は、そうしたことがたやすくできそうな気がしますが、イノベーションが生まれにくいのはなぜでしょう。

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「フロネシス」とは、古代ギリシアの哲学者アリストテレスの提唱した概念で、日本語では「実践知」とも表されます。この連載では国内外の有識者の寄稿やインタビュー、研究結果などをもとに、10年、あるいは20年先の社会に目を向け、現在の最適な判断につながる高質な知恵を導き出します。

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