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ビジネスモデルの破壊者たち
【第336回】 2015年3月11日
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瀧口範子 [ジャーナリスト]

200万円超のめちゃ高モデルも!
「アップル・ウォッチ」の価格戦略を読む

アップルのWebサイトでは、全38機種のデザインを確認することができる。発売日は4月24日

 アップル・ウォッチの詳細が明らかにされた。

 アップル・ウォッチについては、すでに昨年9月にその機能の概要が紹介されていたので、今回の発表の目玉は価格と実際の発売日である。発売日は4月24日。すでに予約受付が始まっている。

 そして価格。これが高い。もっとも安い「スポーツ」タイプで349ドル。そして最も高いタイプである「エディション」には、なんと1万7000ドルもするモデルもある。単体で1万7000ドルの製品とは、アップルにとっても初めての価格帯ではないだろうか。

 多くのモデルはメインタイプである「アップル・ウォッチ」に属しているが、それでも価格帯が549~1099ドルの間である。他社のスマートウォッチが199~349ドルで同様の機能を提供していることを考えると、かなりのハイエンド商品ということになる。

 しかも、アップル・ウォッチはそれ単体で機能するのではなく、iPhoneが必要だ。どんなにアップル・ウォッチが欲しいと思っても、もしアンドロイドのユーザーならば、まずスマートフォンをiPhoneに乗り換える必要がある。そうなれば、この高い価格にさらにiPhone価格と手間が加わる。障壁はけっこう高い。

高級腕時計と世界が違う
「高価格腕時計」は認知される?

 最近の腕時計ブームをもってすれば、アップル・ウォッチの値段の高さはさして目立ったものではないだろう。だが、スイスのメーカーなどが作っている腕時計は、精密な機械仕掛けが手作りで組み立てられているという究極のクラフト感が売りだ。デジタル時代にあって、デジタルが決して到達できない手作りによる最高のぜいたくさが、高価な価格に説得力を持たせている。買う買わないは別として、そこにはそれなりの論理があるわけだ。

 アップル・ウォッチの場合は、確かに抜け目のない美しいインダストリアルデザインが施されていたとしても、所詮デジタル製品。これがこの高価な価格が見合ったものと人々がみなすかどうかが決め手になるだろう。あるいは、アップルをどうしても身につけたいというブランド威力が健在かどうかだ。

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瀧口範子 [ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。


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シュンペーターの創造的破壊を地で行く世界の革新企業の最新動向と未来戦略を、シリコンバレー在住のジャーナリストがつぶさに分析します。

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