ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
今までで一番やさしい経済の教科書[最新版]
【第3回】 2015年3月26日
著者・コラム紹介バックナンバー
木暮太一 [経済ジャーナリスト、一般社団法人 教育コミュニケーション協会 代表理事]

僕らの税金は景気対策にどう使われているのか?
今さら人に聞けない財政政策の話

1
nextpage

景気対策のための税金の使い道といえば、真っ先に公共事業が思い浮かぶかもしれない。しかし、公共事業は国の歳出のわずか6%。では、多くの割合を占める使い道とは何か? なかなか景気の回復を実感しない今こそ知っておきたい、財政政策の現状と税金の使い道について、新刊『今までで一番やさしい経済の教科書[最新版]』の著者・木暮太一氏が、どんな経済オンチでも一発でわかるように解説する。

財政政策って何をするの? 

木暮太一(こぐれ・たいち)
経済ジャーナリスト、一般社団法人 教育コミュニケーション協会 代表理事。慶應義塾大学 経済学部を卒業後、富士フイルム、サイバーエージェント、リクルートを経て独立。相手の目線に立った話し方・伝え方が、「実務経験者ならでは」と各方面から高評を博し、現在では、企業・団体向けに「説明力養成講座(わかりやすく伝える方法)」を実施している。 フジテレビ「とくダネ!」(木曜レギュラーコメンテーター)、NHK「ニッポンのジレンマ」、Eテレ「テストの花道」などメディア出演多数。『カイジ「命より重い!」お金の話』『超入門 資本論』など著書多数、累計120万部。

 景気対策には「金融政策」と「財政政策」の二つがあります。前回は「金融政策」の話をしましたが、今回は「財政政策」について説明しましょう。

 財政政策とは、簡単に言うと「政府が、国民から集めた税金を使って、景気を良くしようとすること」です。

 もちろんやみくもにお金を使うわけではありません。意味があることにお金を使います。ただ、「必要なものにお金を使う」というよりは、「景気を良くするために、お金を使う」という意味合いの方が、かなり強いです。

 ちなみに、「必要なものにお金を使う」という場合は「財政政策」ではなく「財政支出」と、別の名前がついています。

 ってことは、財政政策は、「とにかくお金を使うこと」が目的なの!?

 そうです。まったく無意味なものには使いませんが、「国民の生活を良くするために、必要に応じてお金を使おう」という感じではありません。「必要に応じて」ではなく、「○○円使う」ということが目的です。景気を良くするために、政府が国民から集めたお金を使うんです。

 でも、政府がお金を使うっていうのが、よくわらかない。

 政府は商品やお弁当を買うわけではありません。もしくは「よぉし、ビールを買って国民に振る舞おう」といってコンビニで買い物するわけではありませんね。もっと大掛かりなものを買います。

 財政政策で使うお金は、「公共事業」やインフラ整備などに向けられます。たとえば、長年「ムダ」として非難され続けている「道路の補修工事」やダムなどは、「財政政策」で造られたりしています(もちろん中には、景気に関係なく、必要だから造るというものもあります)。

 大まかに言うと「財政政策」といったら「公共事業を実施すること」とイメージしていただいてOKです。

 これって景気対策なんだよね? 道路工事をすると、なんで景気が良くなるの??

 それは、「企業が仕事を受注して、利益が増えるから」です。個人の買い物とは規模がまったく違いますが、財政政策も「誰かにお金を払って作ってもらっている」という意味では「商品を買っている」ということと同じですね。つまり国が財政政策を実施すると、世の中の商売の量が増えるんです。そしてその効果が、世の中全体に波及していくのです。

1
nextpage
スペシャル・インフォメーションPR
ダイヤモンド・オンライン 関連記事
自分の時間を取り戻そう

自分の時間を取り戻そう

ちきりん 著

定価(税込):本体1,500円+税   発行年月:2016年11月

<内容紹介>
生産性は、論理的思考と同じように、単なるスキルに止まらず価値観や判断軸ともなる重要なもの。しかし日本のホワイトカラー業務では無視され続け、それが意味のない長時間労働と日本経済低迷の一因となっています。そうした状況を打開するため、超人気ブロガーが生産性の重要性と上げ方を多数の事例とともに解説します。

本を購入する
著者セミナー・予定
(POSデータ調べ、11/20~11/26)


注目のトピックスPR


木暮太一 [経済ジャーナリスト、一般社団法人 教育コミュニケーション協会 代表理事]

 

慶應義塾大学 経済学部を卒業後、富士フイルム、サイバーエージェント、リクルートを経て独立。学生時代から難しいことを簡単に説明することに定評があり、大学時代に自作した経済学の解説本が学内で爆発的にヒット。現在も経済学部の必読書としてロングセラーに。相手の目線に立った話し方・伝え方が、「実務経験者ならでは」と各方面から高評を博し、現在では、企業・団体向けに「説明力養成講座(わかりやすく伝える方法)」を実施している。
フジテレビ「とくダネ!」(木曜レギュラーコメンテーター)、NHK「ニッポンのジレンマ」、Eテレ「テストの花道」などメディア出演多数。
『僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?』、『カイジ「命より重い!」お金の話』、『超入門 資本論』など著書多数、累計120万部。

 


今までで一番やさしい経済の教科書[最新版]

学生から主婦まで幅広く支持されて10万部突破!「これならわかる!」と大反響だった経済入門書の決定版が全面リニューアルしました。アベノミクス、金融政策、消費増税、円安、デフレ、年金・社会保障、格差問題など、最新のトピックスを加えた最新版。これまで経済のことをちゃんと勉強してこなかった人に最適な1冊です。この連載では、本書から一部を抜粋して紹介します。

「今までで一番やさしい経済の教科書[最新版]」

⇒バックナンバー一覧