財政政策のお金はどこからくるの?

 そっか。政府がたくさんお金を使えば、どんどん景気が良くなるんだね。じゃあ、もっともっと使ってほしいな。

 それが、そうもいきません。政府が使えるお金がなければいけないからです。政府は商売をしていませんので、自分でお金を稼ぐことはできません。政府は国民から税金を集めて、それを使うのです。

 ただ、税金で集めるだけでなく、政府は「借金」をすることもできます。というよりむしろ、最近は借金をしないと国の活動を維持できなくなっています。

 借金!? 政府が借金するの? どういうこと??

 政府は、使えるお金がなくなったとき、「国債」を発行して借金をします。国債とは、国(政府)が発行する債券(紙切れ)です。政府はこの国債を誰かに売ります。そして100万円の国債なら、100万円で売るわけです。そして、この国債を持っている人に、定期的に利子を払います。

 100万円で国債を買ったら、利子を受け取れるってこと?

 そうです。国債は「買う」「売る」と表現しますが、実際には「政府は国債を持っているあなたに借金していますよ」という証明書のようなものです。そしてその証明書を持っている人に対して、政府は定期的に利子を払います。ただし、国債はずっと持っているわけではなく、期限が来たら国に買い取ってもらいます。

 期限って、いつ?

 国債には、短いもので“6ヵ月モノ”、長いと“40年モノ”まであります。何年モノの国債を買うかは、みなさんが最初に決め、その期間がたったら国に買い取ってもらうわけです。

「国債」という名前がついていますが、期日がきたら国がその金額を払い戻さなければいけません。これは結局、“借金”と同じですね。国が“100万円、40年モノ”の国債を誰かに売るということは、その人から100万円を40年間借金しているということと同じです。だから、国(政府)が国債を売る=国の借金が増える、ということなんです。