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野口悠紀雄が探る デジタル「超」けもの道

検索機能の活用で、いかにして目的にたどり着くか(2)

──「ハシゴ検索」「昇り降り検索」で、個人用レファレンスルームを作る

野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]
【第17回】 2008年3月17日
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 前回述べた「横とび検索」の場合、「検索対象の名前がわからない」といっても、忘れているだけのことである。記憶のどこかには残っているので、適切な手がかりが得られれば、思い出すことができる。

 これに対して、「調べたい対象の名前を最初から知らない」という場合がある。具体例を挙げよう。

 金融商品などに対する投資判断の指標としてはいくつかのものがあるのだが、実際に広く用いられているのは何かを知りたいとする。このため、「金融用語辞典」の類を見つけ出したいとする。しかし、対象が「金融用語辞典」という名称になっているかどうかは、わからない。「ファイナンス用語辞典」かもしれないし、「投資用語辞典」かもしれない。つまり、探し出したい対象の名称がわからないのだ。

 こうした場合に有効な一つの方法は、すでに知っている言葉を検索してみることだ。たとえば、「ROE」(自己資本利益率)という言葉を検索してみる。この説明は、たいていは金融用語辞典の類に入っている。そこで、ROEの説明画面から上の段階に昇れば、辞典名を知ることができる。

 従来の方法は、まず用語辞典を開き、そこにある「投資基準」などの項目を開き、その中でいくつかの概念を見る、というものだった。つまり、上位概念から下位概念に降りる方法だった。

 それに対してここで述べた方法では、下位概念から上位概念に昇っている。そして、上位概念から再び下位概念に降りる。「はしご」を使って昇り降りしているのと同じなので、この方法を「はしご検索」、または「昇り降り検索」ということができるだろう。「横とび検索」の場合には横に動くのだが、この場合は上下に動く。こうした方法が有効なのは、ウェブ検索ではしばしば経験することだ。

 「上から下に降りる」のは、確立された知識の体系に従うことであり、受動的だ。これに対して「下から上に昇る」のは、問題意識が明確な場合に有効な積極的方法だ。データが電子化され、検索機能が使えるため、このような方法が使えるようになったのである。

 「昇り降り検索」は、知識の構造に関して革命的な変化をもたらすものだ。このことについては後で詳しく述べることにして、以下では、実用的な側面をもう少し探索しよう。

「部屋の名前」を見出す

 「昇り降り検索」は、さまざまな場合に用いることができる。思いつくままに列挙してみよう。

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野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]

1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月より早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。主な著書に『情報の経済理論』『財政危機の構造』『バブルの経済学』『「超」整理法』『金融緩和で日本は破綻する』『虚構のアベノミクス』『期待バブル崩壊』等、最新刊に『仮想通貨革命』がある。野口悠紀雄ホームページ

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