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高橋洋一の俗論を撃つ!

「2%インフレ目標未達」の批判は誤解で的外れ

高橋洋一 [嘉悦大学教授]
【第115回】 2015年3月19日
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「目標未達なら辞任」は短絡思考
求められるのは説明責任

足元の物価低迷に日銀がどう対応するのかは、市場でも大きな関心事だ
Photo:civi/PIXTA

 日銀は17日開いた金融政策決定会合で、現状の金融緩和の継続を決めた。原油安の影響で目先のインフレ率は上昇しにくく、0%程度になる可能性もあるが、物価の上昇基調は崩れていないとしている。

 黒田東彦総裁の記者会見では、面白い光景もあった。質問したのは、元日経記者の土屋氏。2%インフレ目標の達成を2年程度と言っておきながら、3年というのは日本語でない、岩田副総裁は目標達成できない場合に辞任すると言ったがどうなのか、などと質問していた。ただし、黒田総裁が答えているときに、被って質問したりと直情的な口調で冷静さを欠いていたので、黒田総裁は軽くいなしていた。

 この記者は、かつて証券会社の損失補填事件で名をはせたが、経済記者というより事件ものの「社会部」系ではないか。個別事件と同じノリで、目標達成ができないことから辞任を迫るという論法であったが、もう少しインフレ目標の経済学を勉強したほうがいいだろう。

 いずれにしても、2%インフレ目標をどう考えるべきか。

 インフレ目標はガチガチのルールではない。バーナンキの言を借りれば、市場とのコミュニケーションツールである。ガチガチのルールではないが、それが達成できない場合には、説明責任を果たさなければいけない。だから、目標達成ができない場合には、即辞任というのは、社会部系新聞記者の短絡思考である。実際、岩田副総裁も説明責任をまず果たすと言うのであるから、辞任という話にはならない。

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高橋洋一[嘉悦大学教授]

1955年、東京都に生まれる。東京大学理学部数学科・経済学部経済学科卒業。博士(政策研究)。1980年、大蔵省入省。理財局資金企画室長、プリンストン大学客員研究員、内閣府参事官(経済財政諮問会議特命室)、総務大臣補佐官などを歴任したあと、2006年から内閣参事官(官邸・総理補佐官補)。2008年退官。金融庁顧問。2009年政策工房を設立し会長。2010年嘉悦大学教授。主要著書に『財投改革の経済学』(東洋経済新報社)、『さらば財務省』(講談社)など。

 


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