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野口悠紀雄 新しい経済秩序を求めて

円安はこのまま安定均衡とはなりえない

野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]
【第4回】 2015年3月19日
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 2014年の秋以降、世界の金融・為替情勢が大きく変化した。アメリカが金融緩和を終了したのに対して、ユーロと日本が金融緩和を強化し、これによって、為替レートが大きく変化したからである。

 では、円安は、アメリカが金融緩和を終了した世界における新しい安定的均衡なのだろうか? 以下では、円安が進行する条件にはかなりの無理が含まれており、そのため、円安は長期安定的な均衡とはなりえないことを指摘したい。

円安のきっかけは
アメリカ金融緩和終了

 為替レート変化の基本的原因は、アメリカの金融緩和終了だ。

 為替レートに大きな影響を与えるとされる2年国債の利回りを日米について見ると、図表1のとおりだ。

 アメリカの金利がすでにかなり上昇していることがまず注目される。2011年秋から13年5月頃までの金融緩和期においては、0.25%程度にまで低下していた。しかし、13年5月に金融緩和の縮小(テイパリング)の可能性が言われ始めると上昇を始め、それ以降、ほぼ傾向的に上昇してきた。14年10月に金融緩和の終了が正式に宣言され、12月末には利回りは0.7%を超えた(3月中旬では0.69%)。緩和期に比べると、すでに3倍近い水準だ。

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野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]

1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月より早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。主な著書に『情報の経済理論』『財政危機の構造』『バブルの経済学』『「超」整理法』『金融緩和で日本は破綻する』『虚構のアベノミクス』『期待バブル崩壊』等、最新刊に『仮想通貨革命』がある。野口悠紀雄ホームページ

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野口悠紀雄 新しい経済秩序を求めて

アメリカが金融緩和を終了し、日欧は金融緩和を進める。こうした逆方向の金融政策が、いつまで続くのだろうか? それは何をもたらすか? その先にある新しい経済秩序はどのようなものか? 円安がさらに進むと、所得分配の歪みはさらに拡大することにならないか? 他方で、日本の産業構造の改革は遅々として進まない。新しい経済秩序を実現するには、何が必要か?

「野口悠紀雄 新しい経済秩序を求めて」

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