
日経平均はバブル期を超え、さらなる高みを目指す動きを見せている。個人投資家の天海源一郎氏は、日本経済の「30年の遅れ」を取り戻す動きが背景にあると指摘し、日経平均5万円超えの可能性にも言及する。いま、日本株市場で何が起きているのか――。※本稿は、天海源一郎『株と金の大投資術』(幻冬舎)の一部を抜粋・編集したものです。
バブル期を大きく上回った株価
上昇につながった6つの事象
日経平均株価の史上最高値は、2024年7月11日に付けた4万2224円02銭(終値)です。決して上回ることはないと思われたバブル期真っただ中の1989年12月29日に付けた3万8915円87銭(終値)を大きく上回りました。
ここで改めて認識することがあります。
それは、バブル崩壊後「日本の株式市場は、日本経済の低迷によって長く見放されてきた」ということです。日本人が自国の経済に対する信頼をなくし、株式市場に目を向けることはなくなりました。一時的に株価が反発しても、「どうせまた下がるだろう」などと考え、せっせと貯金に精を出す――1990年代から、「日本はダメだ」という意識が完全に根付いてしまったのです。
ところが、いまその意識が以下の出来事によって、大きく変わろうとしています。
・コロナ禍が反発のきっかけになったこと
・半導体市場の拡大が日本の半導体関連企業に恩恵となり、株式市場のけん引役となっていること
・いち早く海外勢が日本の変化に気付いたこと
・円安がインバウンド消費の拡大につながり、内需が拡大していること
・日本経済を下支えしていた大規模な金融緩和が必要ではなくなっていること
・新NISAによって、日本人が日本株を買い始めたこと
これらはすべて株価の上昇につながる事象であり、実際に株価は上昇しています。