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週刊・上杉隆

臨時国会の会期を縮めた本当の理由を報じないメディアの遠慮

上杉 隆 [(株)NO BORDER代表取締役]
【第42回】 2008年8月28日
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〈国会記者と代議士の関係は、ローマ人と芝居の関係に等しい。つまりかれらの力で成功を作りだすこともできるし、芳しからぬ議会内の評判に長いあいだ抵抗することも不可能ではない。国会記者は政治を動かしている実力者と昵懇の間柄で、政界の面白い零れ話をよく知っている。この種の余話は活字になることはめったにないが、世に知られるだけの価値は十分に持っている〉

 大阪でのテレビ出演を終えた筆者は、旧知の大塚展生・朝日放送広報部長との会合場所に向かっていた。フルブライト留学生で、クリントン政権時代のメディア戦略にも詳しい大塚氏から、突然、一冊の古ぼけた本を渡されたのは、待ち合わせのレストランのテーブル席に着いてすぐのことだった。

 「上杉さんの書いた『ジャーナリズム崩壊』を読んでいて思い出した本があった。古い本だが極めて興味深い内容だ。是非、読んでみてほしい」

 そう言って手渡された本の表紙には『ジャーナリズム性悪説』(ちくま文庫)と書かれている。著者はバルザック。そう19世紀フランスの文豪、あのバルザックのことである。

 「バルザックとジャーナリズム?」

 怪訝な気持ちでページを括ると、冒頭のくだりが目に飛び込んできた。

 バルザックは、19世紀のフランスに生きた作家だ。ナポレオン時代をくぐり抜けているわけだが、彼の作品に古さは感じられない。とりわけ、ジャーナリズムのあり方についての批評は、笑ってしまうほど150年後の日本の現状にも当てはまる鋭さを持っている。

〈各紙の国会記者はお互いに知り合いである。というよりも知り合いにならざるをえないと言ったほうがよいかもしれない。なぜならば、かれらは国会の記者席に固まって座り、若いにもかかわらず、そしておそらくは若いがゆえに、毎日国会で行われる果し合いの審判をつとめているからである。『ナシオナル』の記者が『ガゼット』の記者にむかって「おたくの先生いまとちったよ」といったようなことがよくある。それは、演説家が使う資料や引用を、若い記者たちが、走り書きにして山のように演壇まで送ってやっているためである。この記者席の指揮のもとに行われた論戦や審議も少なくない。そこでは、次のような嘆息や歓声がよく聞かれる。「あーあ、ちゃんと予習させといたのになあ(時には、その予習の相手というのが大臣のこともある)。よし、いいぞ。うまい。切り抜けた。やれやれ」〉(『ジャーナリズム性悪説』バルザック/鹿島茂・訳)

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上杉 隆 [(株)NO BORDER代表取締役]

株式会社NO BORDER代表取締役。社団法人自由報道協会代表。元ジャーナリスト。1968年福岡県生まれ。都留文科大学卒業。テレビ局記者、衆議院議員公設秘書、ニューヨーク・タイムズ東京支局取材記者、フリージャーナリストなどを経て現在に至る。著書に『石原慎太郎「5人の参謀」』 『田中真紀子の恩讐』 『議員秘書という仮面―彼らは何でも知っている』 『田中真紀子の正体』 『小泉の勝利 メディアの敗北』 『官邸崩壊 安倍政権迷走の一年』 『ジャーナリズム崩壊』 『宰相不在―崩壊する政治とメディアを読み解く』 『世襲議員のからくり』 『民主党政権は日本をどう変えるのか』 『政権交代の内幕』 『記者クラブ崩壊 新聞・テレビとの200日戦争』 『暴走検察』 『なぜツイッターでつぶやくと日本が変わるのか』 『上杉隆の40字で答えなさい~きわめて非教科書的な「政治と社会の教科書」~』 『結果を求めない生き方 上杉流脱力仕事術』 『小鳥と柴犬と小沢イチローと』 『永田町奇譚』(共著) 『ウィキリークス以後の日本 自由報道協会(仮)とメディア革命』 『この国の「問題点」続・上杉隆の40字で答えなさい』 『報道災害【原発編】 事実を伝えないメディアの大罪』(共著) 『放課後ゴルフ倶楽部』 『だからテレビに嫌われる』(堀江貴文との共著)  『有事対応コミュニケーション力』(共著) 『国家の恥 一億総洗脳化の真実』 『新聞・テレビはなぜ平気で「ウソ」をつくのか』 『大手メディアが隠す ニュースにならなかったあぶない真実』


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