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大津波の惨事「大川小学校」~揺らぐ“真実”~

昭恵夫人が大川小視察、遺族の思いは伝わったか

池上正樹 [ジャーナリスト]
【第47回】 2015年3月31日
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大川小を初めて訪れた安倍晋三首相の夫人・昭恵さん
Photo by Masaki Ikegami

 安倍晋三首相夫人の安倍昭恵(あきえ)さんが、4年前の東日本大震災で学校管理下にあった児童・教職員84人が犠牲になった石巻市立大川小学校を3月29日、初めて視察した。

 昭恵さんは、慰霊碑の前で、同校の卒業生たちから手紙などを受け取った後、児童の遺族たちと一緒に、校庭に隣接する裏山にも登った。

 また、当時小学3年生だった未捺(みな)ちゃんや母親、祖父を亡くし、自らも津波にのまれながら学校現場から生還した中学3年生の只野哲也さん(15歳)らの案内で、校舎の中も十分に時間をかけて見て回った。

「二度と起こらないよう十分検証を」
検証の検討余地を訴えた昭恵夫人

慰霊碑の前で手をあわせる昭恵夫人
Photo by M.I.

 昭恵さんは、「新たな課題が見つかった」と明かし、「防潮堤問題の住民の合意形成について考えているところだったので、大川小学校についても少し考えることがある」として、こう感想を語った。

 「被災地のいろんなところを見てきましたけど、ここは小学生がたくさん校庭に待たされて亡くなられたということで、とてもつらい。今後同じようなことが二度と起こらないように十分に検証していただきたい。校舎の中を見て、使っていた黒板や本や名札などの残されているものがあったので、4年経ってもまだ震災の復興がされていないんだなと感じました」

 そして、大川小学校で何が起こったのかの解明がまだ不十分なのではないかとの認識を示し、十分な検証の必要性を次のように訴えた。

 「誰が悪いということではなくて、何が起こっていたのか。責任問題というよりも、むしろ次に震災が来たとき、学校としてどういう対応をするべきか、先生方に認識していただくために、二度とこういうことがないための検証であり、それがまだ十分に検証されていないのではないかと多くのご遺族が思っていらっしゃるのであれば、もう少し何か検討する余地があるのではないか」

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池上正樹 [ジャーナリスト]

通信社などの勤務を経て、フリーのジャーナリストに。主に「心」や「街」を追いかける。1997年から日本の「ひきこもり」界隈を取材。東日本大震災直後、被災地に入り、ひきこもる人たちがどう行動したのかを調査。著書は『ひきこもる女性たち』(ベスト新書)、『大人のひきこもり』(講談社現代新書)、『下流中年』(SB新書/共著)、『ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護』(ポプラ新書)、『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)など多数。TVやラジオにも多数出演。厚労省の全国KHJ家族会事業委員、東京都町田市「ひきこもり」ネットワーク専門部会委員なども務める。YAHOO!ニュース個人オーサー『僕の細道』

 


大津波の惨事「大川小学校」~揺らぐ“真実”~

東日本大震災の大津波で全校児童108人のうち74人が死亡・行方不明となった宮城県石巻市立大川小学校。この世界でも例を見ない「惨事」について、震災から1年経った今、これまで伏せられてきた“真実”がついに解き明かされようとしている。この連載では、大川小学校の“真実”を明らかにするとともに、子どもの命を守るためにあるべき安心・安全な学校の管理体制を考える。

「大津波の惨事「大川小学校」~揺らぐ“真実”~」

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