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山崎元のマネー経済の歩き方

ETF革命の光と影

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第43回】 2008年7月29日
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 筆者はETF(上場型投資信託)に大いに期待している。ETFはなんといっても信託報酬水準が低く、長期保有を前提とすると、通常のリテール向けの投資信託と比べ、圧倒的にコストが安い。

 近年は海外市場に上場されている外国株式を組み入れたETFを扱う証券会社も増えた。外国株式にも低コストで投資できるようになった意義は大きい。外国株式にも分散投資の対象を広げることが理論上はほぼ絶対的に好ましくても、これまでは外国株式を投資対象とする投資信託の手数料があまりに高く、個人投資家に具体的に薦められる運用商品がなかった。だが海外ETFに投資できるようになって、この問題が解決された。

 国内の証券取引所もETFの上場商品を拡充する方向にあり、ETFは本格的な普及期を迎えたようにも見える。しかし、いくつか心配な面も見えてきた。

 一つは、いい商品が上場されないことだ。金のETFは折からの商品価格の高騰もあり、まずまずの人気を博しているようだが、金は投機の対象であって付加価値を生産する資本に投資する手段ではないので、筆者は金のETFに運用対象としての魅力を感じない。金相場に参加するなら、ネットの先物取引のほうがいい。

 また、業種指数のETFにも疑問がある。業種のウエートで勝負する「セクター・ローテーション」という手法は、プロがやっても案外うまくいかないし、少なくとも簡単ではない。また、よいタイミングを狙って頻繁に売り買いすることは、ETFのコストのメリットを損なう。一般投資家の資産運用に向く商品ではない。

 ローコストで外国の株式に手軽に投資できるETFが何種類かできると、投資家にとって便利だが、こうした新商品は少ない。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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12社を渡り歩いた資産運用の現場に一貫して携わってきた視点から、「資産運用」の方法をどう考えるべきか懇切丁寧に説く。投資家にもわかりやすい投資の考え方を伝授。

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