「水明館」は岐阜県下呂温泉で最大、全246室で1000人まで泊まれる。「お一人さまからご家族、団体旅行まで幅広いニーズに応えられる施設とサービスを提供しています」と女将の滝景子さん。

 最大の魅力は、もちろん風呂だ。江戸時代の儒学者・林羅山が有馬、草津と共に「天下の三名泉」と称した下呂温泉から湧き出る湯を、趣の異なる三つの浴場で楽しめる。

水明館の泉質はアルカリ性単純泉。滑らかな肌触りが特徴で、湯上がりの爽快感は格別

 天井、壁、柱とヒノキをぜいたくに使った「下留の湯」は、心地よいヒノキの香りに包まれ、癒やし効果が倍増される感覚だ。

 澄んだ飛騨の空を眺めながら入る「野天風呂」は、男湯の外湯で約52平方メートルもあり、他人に気兼ねなく長湯ができる。時折、山間を吹き抜ける風が気持ちよい。この風呂では女湯はやや小さいが、その代わりに「展望大浴場」は街側に面して、下呂の街を見下ろしながら24時間利用できる。「温泉街に出なくても、館内だけで湯巡りが楽しめます」(滝さん)という趣向だ。

 レストラン、バーは館内に五つあるが、春に食してみたいのは料理茶屋「北乃寮」の山菜。

 毎朝、料理長が近くの森に採りに行く山菜を天ぷらなどで味わいたい。ほろ苦い山菜で食欲を湧き立たせた後は、地元特産品の飛騨牛を鉄板焼きやホオ葉味噌焼きで堪能するのがいい。病後のリハビリ者向けにオーダーメードの食事も提供する。

「連泊するお客さまが多く、長い人では1週間、夏には避暑で1カ月間お泊まりのお客さまもいます」(滝さん)

ペット宿泊施設が併設の
名旅館、稲取銀水荘

「大谷山荘」は、山口県長門湯本温泉にあるが、温泉地の名前は知らずとも旅館の名前は知られている有名宿だ。

「ハード、ソフト、料理の三拍子がそろっていて、関西圏で絶大な人気を誇っている」(大手旅行会社)

 二つの大浴場は男女入れ替え制。1階「せせらぎの湯」は御影石で造られた露天風呂、香り高いヒノキ露天風呂、ジャクジーなどがある。

 2階「こもれびの湯」は音信川の渓流を望む半露天風呂、ハーブ湯などがあり、いずれも多彩な温泉でじっくりと体を休めることができる。夜はライトアップされた渓流を眺めるのも格別だ。

 館内では大型の天体望遠鏡を備えた天体ドームで星空を眺められるほか、ロビーラウンジではジャズバンドの生演奏もあるなど、子供から大人まで楽しめる施設となっている。

 本館と隣接する「別邸音信」は、〝モダン湯治〟をコンセプトにしたアジアンリゾート風で全室露天風呂付き。女性誌でたびたび紹介されるなど、女性が憧れる宿だ。

「稲取銀水荘」は、静岡県東伊豆ナンバーワンの呼び声が高い、全114室がオーシャンビューの旅館。サービスの高さに定評があり、日本旅館の古き良き接遇を体験できる。

稲取銀水荘で宿泊客の期待を集める磯会席料理

 そのおもてなしと共に宿泊客の期待を集めるのが、伊豆の海の幸をふんだんに使った磯会席料理だ。

 名物・キンメダイの煮付けが全シーズン味わえるほか、季節によって伊勢エビやアワビなどの高級食材が並ぶ。今年から初の試みとして4~7月末までの期間限定で、「地魚のしゃぶしゃぶ」プランも用意される。

 基本は部屋食だが、椅子とテーブルで食事がしたいという人向けに12卓の食事処もある。また、旅館では珍しくペット宿泊施設が併設されており、愛犬家にはうれしい限りだ。