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【第22回】 2015年4月22日
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熊野整

エクセル週末起業マニュアル(1)
私が週末起業した3つの理由

私は週末にエクセルを教えながら、合間に雑誌への寄稿や書籍執筆を行っています。毎週末、最大12時間のセミナーを行いつつ、セミナー参加者にウケたノウハウを『ビジネスエリートの「これはすごい!」を集めた 外資系投資銀行のエクセル仕事術』としてまとめました。そしてさらにエクセルセミナーを発展させるために、さまざまな工夫を行っています。今回から、その私の週末起業のノウハウを公開します。

 これだけ聞くと、それが本業のように聞こえますが、実際はそうではなく、平日昼間は企業に勤めています。つまり、これらのエクセル関連の仕事はすべて「週末起業」なんですね。

 実際に週末起業というものをやって分かったことは、とにかく忙しいです。そりゃそうですよね、1人で2つ仕事を掛け持ちしているのですから。周囲からは「起業して、エクセル研修を本業にしないの?」なんて聞かれますが、現在のところは、まだ起業・独立しようとは思っていません。

 私がエクセルで週末起業を考えた理由は3つあります。

 理由(1):もっと社会にインパクトを与えたい
 企業に勤めれば、当然自分の役割というものがあり、それによって社会に対してできることも、ある程度は決まってくる場合が多いです。「たまにはこういう仕事もしてみたいな。自分のこんな才能を活かしてみたいな」と思っても、「その仕事はお前の担当じゃない」、なんて言われることはザラにあります。

 そういうときに、会社の中でできないことは、会社の外でやればいいと、思ったわけです。私の場合は、エクセルのスキルであれば、日本一とはいわないけれど、日本トップクラスと誇れる自信がありました。ところが、周囲を見渡すと、なんとエクセルを苦手と感じている人が多いことか。私のスキルを世の中に広めることで、少しでもエクセルが苦手な人が減り、数字やお金と向き合える人が増えれば良いなと思いました。

 ただし、私が勤めている企業は、エクセルを教えるビジネスを立ち上げるよりも、もっとやらなければいけないことがあるわけです。そこで、「会社は分かってない。このビジネスの成長性を」なんて言ってもしょうがないので、じゃあ自分でやろう、と。

 理由(2):自分の名前で仕事をしてみたかった
 会社に勤めていると、その中でどれだけの実績を上げても、世間は個人よりも会社の業績として注目する場合が多いわけです。だから、自分の名前で勝負してみたいと思いました。グーグルで自分の名前を検索したことのある方、たくさんいらっしゃると思います。おそらく、自分ではない同姓同名の人が出ることも多いでしょう。私もそうでした。ただ、私はちょっと悔しかったですね。やはり、自分のことがインターネットで出ていたらうれしいだろうなあと。だから、自分の名前で仕事をしてみようと思いました。

 自分の名前をさらけ出して「エクセル教えます!みなさん来てください」というのは、そりゃあ最初はビビります。すごいエクセルの達人(?)が来て、こてんぱんにされるかもしれませんから。だから、最初はセミナーを無料でやりました。無料でやると言ったらたくさんの人が来てくれて、反応もよくて、じゃあもっとやってみようと。そのうち、「おれ、結構やれるんじゃないか」なんて思って、次チャレンジして。そういうちょっとした自信が、自分の背中を押してくれるものだと思いました。

 そうすると、よく聞かれるのが、「なぜ起業しないのか?」

 理由(3):不安が少ない。だからチャレンジできる
 私がまだこのエクセル関連のセミナー・書籍執筆で独立しようと思わない理由は、「週末起業だからこそチャレンジできる」と考えているためです。これは決して、週末起業=遊び半分だからという意味ではありません。本業があることで、それなりに自分も成長できるし、経済面の不安も少ない。だからこそ、アグレッシブに週末起業を攻めることができると考えています。

 本業の収益が不安定であれば、当然生活がかかってますから、なかなか収益を投資に回すことはできません。ところが、週末起業で得た収入は、思う存分、次の成長に向けて投資を行うことができます。例えば、このエクセルセミナーでいえば、セミナーの広告投資が年間で数百万円にも及んでいて、個人としてはかなりの負担になっています。しかし、この原資はセミナーで得られた収益ですので、自分の貯金を減らすことはありません(増えてもいませんが……)。また、シンガポールや台北など海外開催も積極的に行っていますが、これも渡航費用がかかるものの、数万円程度の赤字であれば耐えられるというわけです。

 このような、自分が試してみたいこと、例えばインターネット広告を出したらどれくらい投資対効果があるか、海外や地方で開催したらどれくらいの参加者が見込めるか、といったチャレンジをするためには、どうしても費用がかかります。その資金を銀行からの借金やベンチャーキャピタルからの出資によって調達するのも良いかと思いますが、私は給料も1つの資金調達と考えています。自己資金で活動する限りは、第三者(銀行やベンチャーキャピタル)に迷惑をかけることもありませんので。「自由=周囲の声を聞く必要がない」とするなら、週末起業ほど自由な仕事もないのでは、とすら感じます。

 ただし、これはエクセルセミナー・研修という領域を選んだから、週末起業でやれた、という側面もあると思います。セミナーは平日昼間やっても、みなさん参加してくれないですからね(みなさん仕事があるので)。やはり週末起業に向く仕事、向かない仕事というものもあるのでしょう。その点では、私はラッキーだったと思います。

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熊野 整

ボストン大学卒業後、モルガン・スタンレー証券投資銀行本部に入社し、大型M&Aや資金調達プロジェクトをリード。退社後はグロービス経営大学院にてMBA取得、その後、大手上場インターネット企業に入社し、事業責任者として事業計画の立案から戦略遂行までを行う。現在は、スマートニュース株式会社にて、収益計画策定、資金調達、上場準備など財務企画業務全般をリード。「グローバル投資銀行のエクセルスキルを、分かりやすく伝えたい」というモットーの下、2013年10月から週末に個人向けエクセルセミナーを開催したところ、参加者数は1年で3000人を超え、大人気セミナーとなった。現在は、個人向けセミナーに加えて、企業研修も数多く開催しており、多くのビジネスパーソンの収益計画の作成指導を行っている。https://www.facebook.com/simulation2013/

 

 


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