ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
農業で成功する人 うまくいかない人
【第2回】 2015年5月19日
著者・コラム紹介バックナンバー
澤浦彰治

羽振りのよさそうな農家で
研修を受けてはいけないのはなぜか?

1
nextpage

新しく農業を始めようとすれば、まず農家や農業法人等で研修を受けるのが一般的だ。だが、ここに落とし穴がある。一見儲かっている農家に研修に行っても、その後、実際に独立したときに、その研修がまったく役立たないことがあるからだ。なぜそのようなことが起こるのだろうか。

研修先を見誤ると、
その後の事業はうまくいかない

 成功する農業者は、農業生産で経営が成り立っているプロの農家に学び、地域の人たちからの情報を大切にします。しかし、うまくいかない人は、農業生産で成り立っていない農家から学んで、生の情報には関心を持ちません。

 新規就農者として独立した人を見ていると、教えてもらった農家と同じようなやり方を疑わずに行う人がほとんどです。そして、そのやり方はよくも悪くも身についてしまい、その後、やり方を変えていくことはとても難しくなります。

 これは会社のビジネスモデルを変えるのと同じくらい大変なことなのです。

 あるとき、新規就農した人の講演を聞いたことがあります。その人は、農業が好きで農業法人で働いたあと、その紹介で農家に研修に入りました。

 その農家ではさまざまな作物の栽培方法を教えてもらい、2年後に晴れて独立しました。独立するときも、近隣の農家の方が土地や中古機械を貸してくれるなど、いろいろな協力があったおかげで、無事に独立できたのでした。

 その人は、教えてもらったように、いくつもの作物を栽培して、近くの直売所で販売しました。しかし、朝早くから夜中まで一人で働き、直売所に野菜を持っていっても、なかなか所得が上がらない日々が続きました。研修に入った農家のように余裕のある生活とはほど遠い生活です。

 サラリーマン時代に働いて貯めた貯金も使い果たし、もう限界で農業を辞めたいという内容の話でした。

1
nextpage
スペシャル・インフォメーションPR
ダイヤモンド・オンライン 関連記事
キーワード  野菜 , , 起業
まいにち小鍋

まいにち小鍋

小田真規子 著

定価(税込):本体1,100円+税   発行年月:2016年11月

<内容紹介>
簡単で安くて、ヘルシー。ポッカポカの湯気で、すぐにホッコリ幸せ。おひとりさまから共働きのご夫婦までとっても便利な、毎日食べても全然飽きない1〜2人前の小鍋レシピ集!「定番鍋」にひと手間かけた「激うま鍋」。元気回復やダイエットに効く「薬膳鍋」や、晩酌を楽しみたい方に嬉しい「おつまみ鍋」など盛り沢山!

本を購入する
ダイヤモンド社の電子書籍
(POSデータ調べ、11/20~11/26)


注目のトピックスPR


澤浦彰治 

1964年、農家の長男として生まれる。利根農林高等学校を卒業後、群馬県畜産試験場の研修を経て、家業の農業・養豚に従事。コンニャク市場の暴落によって破産状態に直面するなかでコンニャクの製品加工を始める。1992年、3人の仲間と有機農業者グループ「野菜くらぶ」を立ち上げ、有機野菜の生産を本格的に開始。1994年、家業だった農業経営を農業法人化しグリンリーフ有限会社とする。第47回農林水産祭において蚕糸・地域特産部門で天皇杯を受賞。群馬中小企業家同友会代表理事、日本オーガニック&ナチュラルフーズ協会理事、沼田FM放送取締役、マルタ取締役。著書に『小さく始めて農業で利益を出し続ける7つのルール』(ダイヤモンド社)がある。


農業で成功する人 うまくいかない人

大企業が参入してもうまくいかない農業経営。自然を相手にする農業は、一般的なビジネスとは考え方や取り組み方が違ってくる。しかし、旧来の農業経営では行き詰る時代に来ている。「農業で成功している人の特徴」「うまくいかない人の共通点」を知ることで、環境変化に対応できる「強い農業経営」を明らかにする。

「農業で成功する人 うまくいかない人」

⇒バックナンバー一覧