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農業で成功する人 うまくいかない人
【第1回】 2015年5月18日
著者・コラム紹介バックナンバー
澤浦彰治

午前8時~午後5時という
労働時間に縛られてはいけない

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農業は日本の成長産業だと言われながら、新しく農業を始めてもなかなかうまくいかないのが現状だ。それは大企業の資本があっても、簡単に成功できるものではない。なぜほかの産業と違って、農業で成功するのは難しいのか――。経験のない人を儲かるプロ農家に育てている「野菜くらぶ」代表の澤浦彰治氏にその秘訣を聞いた。

労働時間を考えていたら
良質なものはできない!

 全国各地から講演に招かれるようになって、新規就農者の「独立支援プログラム」について多くの質問をいただきました。農業人を育て、農業経営者を育てていくことが今一番必要とされているのだと感じているところです。

 皆さんから「成功する人とうまくいかない人、失敗する人の違い」について、いろいろな形で質問を受け、そのつど私なりの考え方をお話ししてきました。ここではそのポイントの一部をご紹介していこうと思います。

 成功している農業者は既定の労働時間に縛られていません。作物中心、お客様中心で自分の時間を使うのです。しかし、うまくいかない人は、一般的な労働時間である午前8時~午後5時という時間に縛られて働いています。

 農業は労働基準法の適用外になっていますが、最近、農業の現場でも労基法遵守が求められることが多くなってきました。もちろん法人として働いている人たちの労働環境と福利厚生面や待遇を改善していくという観点から、労働時間についても見直していくことは必要だと思います。しかし反面で、農業は、自分のスキルを高める努力をせず労基法や就業時間に縛られて働く人が豊かになれる職業ではないのです。

 成功している農業者は、よい作物を栽培するのに必要とあれば、朝でも昼でも夜でも、どんな時間帯でも学び働きます。

 たとえばハウス栽培のホウレンソウでは冠水作業(水やり作業)をしますが、よいものを栽培しようとすると、冠水作業の最適な時間帯は夏と冬とでは違ってきます。

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澤浦彰治 

1964年、農家の長男として生まれる。利根農林高等学校を卒業後、群馬県畜産試験場の研修を経て、家業の農業・養豚に従事。コンニャク市場の暴落によって破産状態に直面するなかでコンニャクの製品加工を始める。1992年、3人の仲間と有機農業者グループ「野菜くらぶ」を立ち上げ、有機野菜の生産を本格的に開始。1994年、家業だった農業経営を農業法人化しグリンリーフ有限会社とする。第47回農林水産祭において蚕糸・地域特産部門で天皇杯を受賞。群馬中小企業家同友会代表理事、日本オーガニック&ナチュラルフーズ協会理事、沼田FM放送取締役、マルタ取締役。著書に『小さく始めて農業で利益を出し続ける7つのルール』(ダイヤモンド社)がある。


農業で成功する人 うまくいかない人

大企業が参入してもうまくいかない農業経営。自然を相手にする農業は、一般的なビジネスとは考え方や取り組み方が違ってくる。しかし、旧来の農業経営では行き詰る時代に来ている。「農業で成功している人の特徴」「うまくいかない人の共通点」を知ることで、環境変化に対応できる「強い農業経営」を明らかにする。

「農業で成功する人 うまくいかない人」

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