ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
野口悠紀雄 新しい経済秩序を求めて

かつてのハゲタカは今や開拓者!
米ベンチャーキャピタルの実像

野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]
【第12回】 2015年5月14日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 アメリカのIT革命で新しい事業分野を開いたのは、ベンチャー企業であった。それらベンチャー企業を育てたのは、ベンチャーキャピタルである。それは、いかなる組織であり、ベンチャー企業の発展にとってどんな役割を果たしたのか?

先進国の中でも起業率が
著しく低い日本

 ベンチャー企業の動向については、グローバル・アントレプレナーシップ・モニター(GEM)の調査がある。これは、1997年に、アメリカのバブソン大学とイギリスのロンドン大学ビジネススクールの起業研究者たちが、「正確な起業活動の実態把握」「各国比較の追求」「起業の国家経済に及ぼす影響把握」を目的として作ったプロジェクトチームだ。

 2013年の調査結果は、「GEM 2013 Global Report - Global Entrepreneurship Monitor」として公表されている。

 GEMの調査項目の一つに、「起業活動率」(Total Entrepreneurship Activity:TEA)がある。これは「起業の準備を始めている人と、創業後3.5年未満の企業を経営している人」が18~64歳の人口100人当たりで何人いるかを示したものだ。

 先進国についての13年の値は、図表1に示すとおりである。アメリカは12.7%だが、日本は3.7%でしかない。先進国中では、イタリアについで低い水準だ。

 旧社会主義国での起業率が高いのはある意味で当然だが、カナダ、シンガポール、オランダ、アイルランドなどでの起業率も高いことが注目される。

 日本で新しい企業が生まれにくいことはしばしば指摘されるが、この図もそれを明確に示している。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]

1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月より早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。主な著書に『情報の経済理論』『財政危機の構造』『バブルの経済学』『「超」整理法』『金融緩和で日本は破綻する』『虚構のアベノミクス』『期待バブル崩壊』等、最新刊に『仮想通貨革命』がある。野口悠紀雄ホームページ

------------最新経済データがすぐわかる!------------
『野口悠紀雄 使える!「経済データ」への道』


野口悠紀雄 新しい経済秩序を求めて

アメリカが金融緩和を終了し、日欧は金融緩和を進める。こうした逆方向の金融政策が、いつまで続くのだろうか? それは何をもたらすか? その先にある新しい経済秩序はどのようなものか? 円安がさらに進むと、所得分配の歪みはさらに拡大することにならないか? 他方で、日本の産業構造の改革は遅々として進まない。新しい経済秩序を実現するには、何が必要か?

「野口悠紀雄 新しい経済秩序を求めて」

⇒バックナンバー一覧