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「保険料が戻ってくる」というおトク感に騙されない!

生活設計塾クルー
【第12回】 2008年4月11日
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 消費者心理のひとつとして、キャッシュバックをすごくトクしたように感じるというものがある。「キャンペーン中につき○千円キャッシュバック!」などの広告を見るとつい心を惹かれがちだが、よく考えれば○千円割引と同じだ。最初から割り引かれているより、あとで戻ってくるほうがトクと感じる人が多いのだろう。

支払った保険料が全額戻る?

 そんな消費者心理を知ってか知らずか、「支払った保険料が全額戻ってくる」という終身医療保険が販売されている。最初に登場したのはAIGエジソン生命の『健康ノススメ』、宣伝による認知度が高いのはアリコの『リターンズ』だ。

 『リターンズ』の内容だが、病気や災害による入院・手術のほか、死亡保障がある。保障額は、災害入院給付金が病気入院給付金の2倍、手術給付金が10倍、死亡保険金が100倍。そして、1入院限度日数は60日、通算は730日となっている。医療保険としては大きな特徴があるわけではなく、死亡保障はいらないから手術保障を充実させてほしいといった内容だ。

 目玉は、契約日から5年ごとに入院給付金などの支払いがなければ、入金給付金日額の10倍の「健康ボーナス」が、また保険料払込満了時か繰延期間満了時に「リターンボーナス」が支給される点。

 「リターンボーナス」がいくらもらえるかだが、払込保険料相当額からそれまでに支払われた給付金・健康ボーナスを差し引いた金額となる。つまり、支払った保険料の総額と、給付金やボーナスで受け取る総額とが同じということだ。「保険料が全額戻ってくる」というのはそういうわけである。

 キャッシュバックどころか、「払ったお金が全額戻ってくるならすごくおトク!」と思われるが、果たしてそうだろうか。「払込保険料総額=給付金+ボーナス」であるなら、毎月タンスに保険料相当額を仕舞って、入院すればそこから給付金相当額を引き出し、しなければ5年ごとに健康ボーナス相当額を引き出し、払込満了年齢の時がきたら全額引き出すのと同じだ。

 そもそも、保険は加入者同士が助け合う仕組みだから、保険料はその仕組みへの参加料と割り切るべき性質のもの。助け合いでなく自分のために保険料を拠出しているかに見えるこの保険は、「保障」とはとても呼べないものである。

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