ブラック・フライデーを超えた
キャンペーンを企画した剛腕の持ち主
中国のインターネットショッピングサイト、アリババを運営するアリババ・グループが、新しいCEOを指名した。
新CEOに就任したダニエル・ザング氏は1972年生まれの42歳。これまでは同社COOだった。アリババの創業者で会長のジャック.マー氏が「アリババは、1960年代生まれの経営層を、そのうち一新しなければならない」と、若返りを推進していたが、その通りになったわけだ。
これまでCEO職にあり、250億ドルを調達した昨年9月のIPOを取り仕切ったジョナサン・リュー氏は副会長職に留まる。他の経営陣の入れ替えもあり、今回の動きで経営陣の95%は1970~80年代生まれになったという。
ザング氏は、アリババ籍8年。上海財経大学を卒業してから、企業監査のアーサーアンダーセンや、大手会計事務所のPwCに在籍。アリババに移る前は、オンライン・ゲーム開発会社のCFOを務めていた。堅実に仕事を遂行するタイプのようだが、社員からはカリスマ性のある人物と見られており、よどみのない英語を操るインターナショナルな人材という評価がされている。
ザング氏は、2008年からアリババのタオバオ・マーケットプレースのジェネラル・マネージャーに就任。このサイトを世界でも有名な存在に押し上げた。彼の名前がさらに知られるようになったのは、現在のショッピングサイトのTモールで、昨年11月に「ダブル11」や「独身者の日」と銘打って行ったショッピング・イベントだ。この日1日で、アメリカの最大のショッピングデーであるブラック・フライデーをも上回る売上を生み出し、世界最大のショッピングデーを演出した。