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経済ジャーナリスト 町田徹の“眼”

公務員制度改革は風前の灯火
政治空白につけ込む官僚の勝利か

町田 徹 [ジャーナリスト]
【第46回】 2008年10月3日
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 かねて懸念された通り、国家公務員の制度改革を骨抜きにしようとする動きが本格化してきた。

 抵抗勢力の官邸官僚たちはここへきて、解散・総選挙が11月半ばにずれ込み「政治の空白」が長引く可能性が高いことに付け込んで、この間に、改革の指針だったはずの基本法の精神を無視した杜撰な原案を早急にでっちあげて抜本改革を葬り去ってしまおうと暗躍している。

 このために、官邸官僚たちは、公的な会議の場で平然と詭弁を弄したり、動画配信する議事から不都合な部分をカットして世論の監視を阻んだり、権謀術数の限りを尽くしているのだ。

改革への情熱が乏しい
麻生首相を歓迎する官僚

 公務員制度改革は財政改革などと並ぶ重要な課題とされるが、小泉純一郎元首相が在任中取り上げることを嫌ったとされるほど当初から官僚の抵抗が予想されていた。

 こうした中で、安倍晋三元首相が火中の栗を拾う形で、議論がスタート。

 現在進められている改革は、福田康夫政権下の今年6月に成立した「国家公務員制度改革基本法」が基本的な枠組みを成している。

 主な柱としては、(1)各省別の人事をやめて、内閣官房に内閣人事局を設置、幹部職員の一元管理を行う、(2)幹部候補が固定されがちだったキャリア制度の廃止、(3)国家戦略スタッフの設置――などがあげられる。

 そして、国家公務員制度改革推進本部(本部長・首相)の顧問会議(座長・御手洗冨士夫日本経団連会長)が、その具体案作りの監視役となっている。

 ただ、福田前首相の突然の辞任表明と、福田前首相以上に公務員制度改革に対する情熱の乏しい麻生太郎氏の政権獲得を好機と見て、官邸官僚が勢いを回復、改革の骨抜きに動くのではないか、とみられていた。

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町田徹 [ジャーナリスト]

1960年大阪府生まれ。神戸商科大学(現兵庫県立大学)卒。日本経済新聞社に入社後、記者としてリクルート事件など数々のスクープを連発。日経時代に米ペンシルバニア大学ウォートンスクールに社費留学。同社を退社後、雑誌「選択」編集者を経て独立。日興コーディアルグループの粉飾決算をスクープして、06年度の「雑誌ジャーナリズム賞 大賞」を受賞。「日本郵政-解き放たれた「巨人」「巨大独占NTTの宿罪」など著書多数。


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