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シンプルに考える
【第3回】 2015年6月2日
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森川亮

LINE(株)CEOを退任した森川亮氏が初めて明かす!
イノベーションを邪魔しているのは「これ」だ!

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「あれも大事、これも大事」と悩むのではなく、「何が本質なのか?」を考え抜く。そして、本当に大切な1%に100%集中する。シンプルに考えなければ、何も成し遂げることはできない――。LINE(株)CEO退任後、ゼロから新事業「C CHANNEL」を立ち上げた森川亮氏は、何を考え、何をしてきたのか?本連載では、待望の初著作『シンプルに考える』(ダイヤモンド社)から、森川氏の仕事術のエッセンスをご紹介します。

「管理」ではなく、「エコシステム」が必要

 イノベーションが起きない──。
 これが、日本経済のいちばんの課題だと思います。

 そのため、多くの会社がイノベーションを起こすために、さまざまな施策を打ち出しています。しかし、なかなか大きな成果が生まれていないのが、現状ではないかと思います。「笛吹けど踊らず」。そう嘆く経営者もいらっしゃいます。

 なぜでしょうか?
 僕は、経営のあり方に問題があると考えています。
「経営とは管理することである」。この固定概念がイノベーションを阻害している。つまり、経営が社員の活動を細かいところまで管理しようとするがために、社員の強みを生かし切れていないことに根本的な問題があると思うのです。

 たしかに、戦後の日本企業は、高度な「経営管理」によって大きな成果を生み出してきました。しかし、それは大量生産大量消費の世界だったからこそ、うまく機能したのだと思います。先人がつくったプロダクトを延々と磨き続けていく。そして、徹底した品質管理と工程管理のもと、クオリティの高いものをつくり続ける。そのような世界では、管理こそが重要になります。

 しかし、時代は変わりました。イノベーションが重要になった今、「経営とは管理すること」という発想を捨てる必要があると思うのです。

 では、イノベーションには何が必要か?
 僕は、その答えをかつてのソニーに見出します。

 ご存知のとおり、ソニーは数々のイノベーションを生み出してきた会社です。それを可能とした理由として、真っ先に挙げられるのが「自由」です。ソニーでは、優秀なエンジニアたちが、空いた時間に興味ある技術を自由に開発することが認められていました。会社のリソースを使って、好きなだけ研究できる。ウォークマンの技術も、こうして生まれたと言われています。

 それだけにとどまりません。「これだ!」と思える技術を開発すると、エンジニアたちは、自分の判断でさまざまな部署やグループ会社にプレゼンテーションに回りました。そして、意気投合すると、その部署に異動したり、新会社をつくったりして、そこから新しい商品やサービスを生み出していったのです。

 ここにあるのは「管理」ではありません。優秀な社員たちが自由に活動し、共感をベースに連携し合う見事なエコシステムです。僕は、このエコシステムこそがイノベーションの源になると思うのです。 

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森川亮 

1967年神奈川県生まれ。1989年筑波大学卒業後、日本テレビ放送網に入社。幼少時から一貫して音楽を続けてきたこともあり、音楽番組の制作を希望するもコンピュータシステム部門に配属。本格的にコンピュータを学ぶ。インターネットの登場に刺激を受け、ネット・ビジネスに傾倒。ネット広告や映像配信、モバイル、国際放送など多数の新規事業立ち上げに携わる。仕事のかたわら青山学院大学大学院にてMBAを取得。2000年にソニー入社。ブロードバンド事業を展開するジョイントベンチャーを成功に導く。2003年にハンゲーム・ジャパン株式会社(後にNHN Japan株式会社、現LINE株式会社)入社。4年後には日本のオンライン・ゲーム市場でナンバーワンとなる。2007年に同社の代表取締役社長に就任。2015年3月にLINE株式会社代表取締役社長を退任、顧問に就任。同年4月、動画メディアを運営するC Channel株式会社を設立、代表取締役社長に就任した。


シンプルに考える

「あれも大事、これも大事」と悩むのではなく、「何が本質なのか?」を考え抜く。そして、本当に大切な1%に100%集中する。シンプルに考えなければ、何も成し遂げることはできない――。LINE㈱CEO退任後、注目の経営者がはじめて明かす「仕事の流儀」!

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