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中小企業が「海外で製品を売りたい」と思ったら最初にやること
【第4回】 2015年6月8日
著者・コラム紹介バックナンバー
大澤 裕

代理店、問屋、商社…一体なにがどう違う?
ディストリビューターとセールスレップは?

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ビジネスにおいてよく耳にする「代理店」「問屋」「商社」…一体なにがどう違うのか、みなさんはお分かりでしょうか。どれも同じような機能をもっているイメージがありますが、海外において販売代理店というと、機能の違いによってハッキリ2種類に大別されることを認識する必要があります。

 みなさんに質問です。

 日本には「代理店」「問屋」「商社」といろいろな言葉があって、「うちは海外に代理店がありますので」とか「商社さんが海外にいます」などとよく耳にされるでしょう。では、代理店と商社はどう違うのでしょう? また問屋と商社は? 

 答えをお教えしましょう。

 正解は、「誰も知らない」です。

 なぜなら日本においては、そういった販売仲介業者の明確な定義づけができていないからです。

 英語では「セールスレップ」と「ディストリビューター」という言葉があり両者には歴然とした機能の違いがあります。 ※セールスレップは「セールス・レプリゼンタティブ(sales representative)の略で、「セールス・エージェント」と呼ばれる場合もあります。

 問題は日本語で「代理店」「問屋」「商社」といった言葉について、明確な違いが定義されていないために、英語の「セールスレップ」と「ディストリビューター」も同じようなものだろう、と思われる方が多いことです。

 実際、海外と取引がある商社の方でも、このセールスレップとディストリビューターの違いを明確に理解できていない人は珍しくありません。というのは、商社マンであっても自分で海外に販路を作った経験のある人というのはひと握りしかいないからです。

 しかし、両者には明確な違いがあります。それをよく理解しておくことが、海外の販路網構築で成功するカギになるといっても過言ではありません。

 今回は、このセールスレップとディストリビューターの違いを説明していきます。

ディストリビューターとセールスレップの違いとは?

 まず単純にいって、メーカーは海外顧客に製品を送って代金をもらいたいわけです。その日本の会社と海外の顧客を結び付けてくれる存在として「ディストリビューター」と「セールスレップ」があります。いずれの場合も、「顧客」は、製品が産業材なら企業の工場や研究所かもしれませんし、消費財であればチェーン店かもしれませんし普通の個人かもしれません。「製品を送って代金がほしい」という構造は同じです。

 では、「ディストリビューター」と「セールスレップ」で何が違うのかといえば、売る製品の「所有権をもつ」か「所有権をもたない」かという点です。商社、問屋、代理店、Xマーケティング、Y販売・・・等々、どんな名前がついていても、どちらかに分類されます。

 詳しくは後述しますが、自社で購入し所有した状態から再販するのが「ディストリビューター」であり、自社では製品を購入せず販売の代行だけして成功報酬のコミッションをもらうのが「セールスレップ」です。

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大澤 裕(おおさわ・ゆたか)

株式会社ピンポイント・マーケティング・ジャパン (www.ppmj.com) 代表取締役。

1988年慶應義塾大学経済学部卒業、米バンカーストラスト銀行東京支店の企業金融部で日本企業の海外進出支援業務に従事。カーネギー・メロン大学経営学修士課程において特許製品の販路開拓方法を学ぶ。MBA取得後、家業の建築資材会社の特許製品の販売網を構築するべく米国子会社を設立。その経験を活かして、日本企業の海外販路開拓の支援をはじめ、2000年にピンポイント・マーケティング・ジャパン設立。海外のディストリビューターとセールスレップを使った販路網構築・動機づけ・販売の専門家としてアドバイスや人材育成を行っている。販売対象は産業材(包装機器・産業用ポンプ、PDP、位置センサー、流量計、電流計、溶接機器)、消費財(手袋、キッチン用品、文具、ギフト製品)等、多岐にわたる。経済産業省研修所、ジェトロ、中小企業大学校をはじめ公共団体での講演も多数。


中小企業が「海外で製品を売りたい」と思ったら最初にやること

中小企業が海外で製品を売りたいと思ったら、まず何から始めればよいのでしょうか? ズバリ、販売先を確保することです。最初から現地に工場や子会社をつくっていては、間尺に合いません。 では、販売先を確保するにはどうすればよいのでしょうか。それには、海外に販売パートナーをもつことが最適です。 自社の製品や体制に合った販売代理店(ディストリビューターかセールスレップ)はどうすれば見つかるのか、 その方策を探っていきます。

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