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7つの失敗から学ぶ デジタルマーケティングの原則

【最終回】「Zero to One」

田中猪夫 [一般財団法人 日本総合研究所 特命研究員]
【第9回】 2015年3月20日
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 この連載は今回で最終回となるが、最後にITでもデジタルマーケティングでもない「人の出会い」についてまとめてみたい。

 今まで解説してきた「7つの失敗研究」は、実際のデジタルマーケティングのプロジェクトがあり、それを必要と思うトップマネジメントがいないと、無意味なものに終わってしまう。読者の方も、こんなことはウチでは無理だな、絵空事だよな、何もやらなければ失敗しないし、忙し過ぎるな、と無視する人も多いだろう。

 ところが、マスクドニード(今は表出していないが、マスクで隠れているニード)を、このような連載、講演、勉強会、出版などの何らかの手段で情報発信し続けていると、思わぬところで共鳴する人との出会いがあり、最初の一歩を踏み出せることがある。

 例えば、30代に10年ほど行っていたイスラエルのビジネスへ入る最初は、旅行ツアーに参加し、提携先を見つけようとホテルでヘブライ語の電話帳からIT企業をピックアップしてもらい訪問するところからはじめた。

 そのうち、日本側とイスラエル側を兄弟で分担し、イスラエルのテクノロジーを日本にビルトインすることをミッションとするイスラエル人(弟)に出会った。彼は、日本側を担当していたお兄さんが横浜で仕事帰りに交通事故で亡くなったためビジネスが頓挫していると、ゆっくりと心情を語ったのである。

 私は、日本にイスラエルのイノベーションをビルトインするマスクドニードがあると考えていたので、お互いが共鳴し、それ以来、日本のベンチャーキャピタルのIT企業への最初の投資案件(Zero to One)をまとめたり、販売代理店になったり、日本語化したりと、20数回イスラエルを訪問し、深いリレーションを構築した。

 この例は、日本から遥か8500km以上離れたところに住むひとりのイスラエル人との出会いによるものだが、狭い日本ならこの連載に書いたことに共鳴する人と、偶然(必然?)の出会いがあってもおかしくない。

 そこで最終回は、出会いをテーマに、CMO(CMTを含む)が日本で創造(Zero to One)できるかどうかを考えてみたい。

 まずは、歴史に学ぶという意味で、日本でCIOが創造された経緯と、IT部門がシュリンクしつつある現在までを学ぶことから、今後、新しく創造されるであろう全体最適視点のデジタルマーケティングの創造価値を考察してみよう。

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田中猪夫 [一般財団法人 日本総合研究所 特命研究員]

1959年11月19日、岐阜県生まれ。日本版システム工学を専門とする。20代に、当時発売したばかりのPCでのVARビジネスを創業。30代に、イスラエルITテクノロジーの日本への展開に尽力。40代には外資系ITベンダーの日本法人のマネジメントを務める。現在は一般財団法人日本総合研究所の特命研究員。「デジタルマーケティング経営研究会」を主催・運営。主な著書 『あたらしい死海のほとり』。問い合わせはこちらまで。


7つの失敗から学ぶ デジタルマーケティングの原則

なぜデジタルマーケティングに失敗するのか。問題は経営層、マネージャー層、そして現場のマーケターそれぞれにある。筆者が目撃した7つの失敗事例を分析し、それぞれの問題点と解決策を考える。

「7つの失敗から学ぶ デジタルマーケティングの原則」

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