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齋藤ウィリアム浩幸 日本の欠落、日本の勝機

“チェンジ”の時代、イノベーションが
社会のルールも変える!

齋藤ウィリアム浩幸 [内閣府本府参与]
【第13回】 2015年6月8日
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ウーバーのCEOは
訴訟が起きてもひるまない

 社会のルール、ビジネスのルール…。「ルール」は何のためにあるのか、考えたことがありますか? ルールとは何も考えない人のためにあるという意見がありますが、たしかに何らかの縛りがなければ、社会は無秩序きわまりない状態になってしまうでしょう。しかし、頭脳を駆使してイノベーションを起こす人は、これまでのルールをガラリと変えてしまうことがあります。

 その背景にあるのは、「このビジネスによって世の中をこんなふうに変えたい!」というパッションとビジョン。それらが結果として、新たな価値観を創造し、ルールをも変えるわけです。

 一例を挙げてみましょう。スマートフォンを使った配車サービスを提供する米ウーバーテクノロジーズのトラビス・カラニックCEOは、世界中で多くの訴訟を受けていても、サービス導入をためらうことはありません。

 同社は米国をはじめ、アジア、欧州の主要都市に次々と進出し、行く先々で既存のタクシー業界から猛反発を受けています。業界のルールを世界規模で変革しようとしている彼にとって訴訟は、ルールを変えようとしている証しとも言えるわけです。

 社会のルールはこれからわずか20年の間に、SF映画を超えるほどに激変することでしょう。そう、今は“チェンジ”の時。いつまでも古いルールに縛られているようではイノベーションや新しいアイデアは生まれません。

アップルが必ず2社のサプライヤーと
取引する理由とは

 ここにきてシャープが再び経営危機に陥っていますが、その理由にも"チェンジ"が大きく関わっています。シャープは、世の中が変わっているのに“チェンジ”できなかったのです。この連載でも何度か書いていますが、現代のビジネスではパーツ屋であることにプライドを持ち、それに甘んじている限り、明るい未来は訪れません。

 では、なぜパーツ屋ではいけないのか。たとえば、アップルは必ず2社のサプライヤーと取引するといいます。それは、どんなに優れたパーツをつくるサプライヤーでも1社だけではその会社に何かあれば生産が止まってしまうからです。

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齋藤ウィリアム浩幸 [内閣府本府参与]

さいとう・ウィリアム・ひろゆき
1971年ロサンゼルス生まれの日系二世。16歳でカリフォルニア大学リバーサイド校に合格。同大学ロサンゼルス校(UCLA)医学部卒業。高校時代に起業し、指紋認証など生体認証暗号システムの開発で成功。2004年に会社をマイクロソフトに売却してからは日本に拠点を移し、ベンチャー支援のインテカーを設立。有望なスタートアップ企業を育成している。12年には、総理大臣直属の国家戦略会議で委員を拝命し、国会事故調査委員会では最高技術責任者を務めた。また13年12月より内閣府本府参与に任命されている。世界経済フォーラム(ダボス会議)「ヤング・グローバル・リーダーズ2011」選出。2015年6月より、パロアルトネットワークス合同会社副会長に就任。著書に『ザ・チーム』(日経BP社)、『その考え方は、「世界標準」ですか?』(大和書房)。

ご意見は、ツイッター@whsaitoまで。

 


齋藤ウィリアム浩幸 日本の欠落、日本の勝機

歴史的に、世界に挑むチャレンジ精神は本来、日本人が持っていた気質。しかし今の時代、日本のお家芸“ものづくり”だけでは新興国に負けるのは火を見るよりも明らかだ。成長へと反転攻勢に転じるために必要なものは何か――。それは革新的なイノベーションを起こすための「世界標準の思考」に他ならない。気鋭の起業家であり、技術者である筆者が、日本が再び世界をリードしていく道はなにかを説く。

「齋藤ウィリアム浩幸 日本の欠落、日本の勝機」

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