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魚食王国ニッポン~元気をつくる「浜のめし」 池田陽子

明石ダコを超えよ!大阪発「泉だこ」のブランド化作戦

池田陽子 [食文化ジャーナリスト/薬膳アテンダント]
【第16回】 2015年6月8日
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 「大阪で漁業ってやってるの?」

 全国でも地元でも知名度は低いものの、意外なことに大阪は漁業が盛んな地であることを前回ご紹介した。「大阪の魚は美味しい」と知ってもらいたい。そこで、大阪では初となる魚介類のブランド化にあたり、大阪府漁業協同組合連合会が選んだのは、なんと身近に圧倒的なライバルのいる「タコ」だった。

高値の明石ダコに
圧倒されていた「泉だこ」

泉だこ。大阪湾のエビやカニなどをたっぷり食べて旨みいっぱい

 「平成18年に特許庁が地域団体商標登録制度を導入した際に、泉州でなじみが深く、安定して獲れていたタコを登録してみようかという話になりました」と事業課課長の内藤晃さん。

 しかし、タコといえば、全国的にも、関西圏においても圧倒的にメジャーなのは兵庫県の明石ダコだ。

 泉佐野漁業協同組合の高倉智之さんは憤る。

 「泉州のタコは甘みがあって美味しい。明石ダコに全然ひけをとらへん味やで。そやけど腹立つことに、値段がドンと違うんですわ」

 明石ダコは、「無名」の泉州のタコよりはるかに高値で取引されていた。

 タコだけではない。関西の市場では、どんな魚も明石ブランドは絶対的な価値がある。その価格差はあまりにも大きかった。大阪の魚の価値向上という起爆剤としても、泉州のタコの「ブランド化」が取り組まれることになった。

 が、登録にあたって、いきなり壁にぶつかる。特許庁は指摘した。

 「周知性がない」

 イタいところをつつかれた。地域商標登録制度は「隣接都道府県に及ぶ程度の周知性」の事実証明が必要だったのだ。

 関西圏ばかりか大阪府内ですら残念なほど知られていないタコを携えて、大阪府漁連は兵庫、京都、奈良などを行脚。「販売実績」を作ってなんとか書類を提出。そして平成22年、4年がかりで泉州のタコは、ようやく「泉だこ」として地域商標登録が認定された。定義は「大阪府の泉州沖でとれる、マダコをボイルしたもの」。タコとしては全国で初の認定だった。

 意外なことに、明石ダコは商標登録されていなかったのだ。「もう十分メジャーだから、登録する必要がなかったんでしょうねえ」と内藤さん。

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池田陽子[食文化ジャーナリスト/薬膳アテンダント]

宮崎生まれ、大阪育ちのアラフォー。立教大学卒業後、出版社にて女性誌、ムック、機内誌などの編集を手がける。取材を通して、カラダとココロの不調は食事で改善できるのでは?という関心から国立北京中医薬大学日本校に入学し、国際中医薬膳師資格取得。自身の体調の改善、美容効果などをふまえてふだんの暮らしの中で手軽に取り入れられる薬膳の提案や、漢方の知恵をいかしたアドバイスを、執筆、講習会などを通して行う。また、日本各地の食材を薬膳的観点から紹介する活動も積極的に取り組み、食材の新たな魅力を提案、発信を続け、食文化ジャーナリストとしての執筆活動も行っている。著書に「ゆる薬膳。」(日本文芸社)「缶詰deゆる薬膳。」(宝島社)、「『ゆる薬膳。』はじめたらするっと5kgヤセました!」(青春出版社)などがある。
■HP:www.yuruyakuzen.com
■Facebook:https://www.facebook.com/yoko.ikeda.79

また、鯖をこよなく愛し、日本全国・世界のさば、さば料理、さば缶を楽しみ、さば文化を語り、さばカルチャーを発信し、さばで日本各地との交流をはかることを趣旨に活動している「全さば連」(全日本さば連合会)にて外交担当「サバジェンヌ」としても活動中。
■全さば連HP:http://all38.com
■FACEBOOKページ:http://www.facebook.com/mackerel.cava  

 


魚食王国ニッポン~元気をつくる「浜のめし」 池田陽子

和食が世界遺産に認定され、改めて見直される「魚食文化」。日本各地にはさまざまなおいしい魚が水揚げされ、地元ならではの「魚料理」があります。この連載では日本各地の各種魚の産地を訪ね、「とっておきの漁師料理/ご家庭の魚料理/ご当地魚グルメ」を紹介。あわせて漁の様子、市場の風景など、おいしい「浜のめし」を支える人々の活躍をお届けします。

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