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魚食王国ニッポン~元気をつくる「浜のめし」 池田陽子

実は今も魚の宝庫!大阪は漁業が盛んな街だった

池田陽子 [食文化ジャーナリスト/薬膳アテンダント]
【第15回】 2015年5月25日
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佐野漁港でセリにかけられた魚。年間をとおして、多様な魚が水揚げされる

 大阪が「なにわ」とよばれる理由をご存じだろうか? 一説には「魚(な)がたくさんいる海」=「魚庭(なにわ)」という呼び名に由来するといわれる。大阪湾の豊富な海の幸は、古来より「天下の台所」である大阪を支えてきた。

 「え、そうやったん! 知らんかったわ」大阪の友人が声をあげた。じつはわたしも知らなかった。高校時代、大阪で過ごしていたにもかかわらず、である。

 さらに友人は続けてこう言った。

 「それ、昔の話やろ。いま、大阪で漁業ってやってるのん?」

 ほかの友人たちにも聞いてみたが、「大阪の魚」に、あまりピンときていない。実際、大阪府クイック・リサーチ「おおさかQネット」の「大阪府豊かな海づくりプラン等の改定に関するアンケート」結果を見ると、「あなたは、この一年間に大阪湾で獲れた魚介類を購入、または食べたことがあるか」という設問に「ある」と答えたのは約3割だった。

 全国において大阪の魚の知名度はあまりないが、当の大阪でも、影が薄い。どうやら「工業化で漁業が衰退。魚は獲れていない」というイメージが強いのだ。

 しかし、とんでもない。大阪府内には13の漁港、24の漁協が存在しているのである。

消えない“澱んだ大阪湾”のイメージ
「大阪の魚って…大丈夫なの!?」

 「大阪湾には河川が多く流入し、魚介類のエサとなる生物が豊富な好漁場。沿岸漁業が盛んです」

 こう語るのは、岸和田市にある大阪府漁業協同組合連合会事業課課長の内藤晃さん。

 「イワシ、アジ、カレイ類、アナゴ、スズキ、タコ、エビ類、カニ類、イカナゴ、シラスなどが漁獲されています」

 想像以上に列挙されたさまざまな魚たちの名前に面食らう。それだけではない。驚くべきは、「ワカメやノリなど海藻の養殖もしている」ということだ。

 大阪湾はいまも、魚の宝庫なのである。 

 しかし、大阪の友人たちから多く聞かれた声がもうひとつあった。

 「大阪湾の魚って……大丈夫やの?」

 大阪湾は「工業のための海」。高度成長期の「澱んだ大阪湾」の印象が、根強いのだ。前述したアンケートの「大阪湾で獲れる魚介に対するイメージ」の結果は「新鮮でおいしいと」いう声がある一方、「食べるのに問題はないが進んで食べたくない」という回答も目立つ。

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池田陽子[食文化ジャーナリスト/薬膳アテンダント]

宮崎生まれ、大阪育ちのアラフォー。立教大学卒業後、出版社にて女性誌、ムック、機内誌などの編集を手がける。取材を通して、カラダとココロの不調は食事で改善できるのでは?という関心から国立北京中医薬大学日本校に入学し、国際中医薬膳師資格取得。自身の体調の改善、美容効果などをふまえてふだんの暮らしの中で手軽に取り入れられる薬膳の提案や、漢方の知恵をいかしたアドバイスを、執筆、講習会などを通して行う。また、日本各地の食材を薬膳的観点から紹介する活動も積極的に取り組み、食材の新たな魅力を提案、発信を続け、食文化ジャーナリストとしての執筆活動も行っている。著書に「ゆる薬膳。」(日本文芸社)「缶詰deゆる薬膳。」(宝島社)、「『ゆる薬膳。』はじめたらするっと5kgヤセました!」(青春出版社)などがある。
■HP:www.yuruyakuzen.com
■Facebook:https://www.facebook.com/yoko.ikeda.79

また、鯖をこよなく愛し、日本全国・世界のさば、さば料理、さば缶を楽しみ、さば文化を語り、さばカルチャーを発信し、さばで日本各地との交流をはかることを趣旨に活動している「全さば連」(全日本さば連合会)にて外交担当「サバジェンヌ」としても活動中。
■全さば連HP:http://all38.com
■FACEBOOKページ:http://www.facebook.com/mackerel.cava  

 


魚食王国ニッポン~元気をつくる「浜のめし」 池田陽子

和食が世界遺産に認定され、改めて見直される「魚食文化」。日本各地にはさまざまなおいしい魚が水揚げされ、地元ならではの「魚料理」があります。この連載では日本各地の各種魚の産地を訪ね、「とっておきの漁師料理/ご家庭の魚料理/ご当地魚グルメ」を紹介。あわせて漁の様子、市場の風景など、おいしい「浜のめし」を支える人々の活躍をお届けします。

「魚食王国ニッポン~元気をつくる「浜のめし」 池田陽子」

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