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1000円台で楽しむ おとなの居酒屋

寒さが身にしみる夜は、お鍋と燗酒
鍵屋(鶯谷)

浜田信郎
【第29回】 2008年11月28日
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 東京を代表する老舗酒場、「鍵屋」にやってきました。

 江戸時代の安政3(1856)年に酒問屋として創業した「鍵屋」は、昭和初期からその一角でお酒が飲めるようになり、戦後、昭和24(1949)年から本格的に居酒屋となったのだそうです。

 現在の店は、大正時代の建物を元にしたもので、楓(かえで)の丸太をスパッと半分に割った重厚なカウンターと、店の奥の百日紅(さるすべり)の柱に、店の風格を感じます。

 飲み物は、日本酒が桜正宗、大関、菊正宗の3種(それぞれ正一合が530円)に、菊正宗の冷酒(300ml、910円)、そしてビールの大瓶(610円)、小瓶(530円)ですべて。

 食べ物も、うなぎくりから焼き(640円)や、合鴨塩焼き(580円)、冷奴(520円)、味噌おでん(540円)、さらしくじら(740円)、にこごり(620円)など、昔から続く手作りの肴が20品(420~740円)ほどと、まさに少数精鋭です。

 「お酒はね、冷たいまま飲むよりも、ちょっと温めたほうが美味しいと思うんですよ」

 カウンター席の一角に腰を下ろし菊正宗を注文すると、きっちりと計量したお酒に燗をつけてくれる店主が、つぶやくようにそう語ってくれます。温かいお酒が美味しいと思ってくれる人がつけてくれる燗酒がまずかろうはずがありません。この店の燗酒はしみじみとうまいのです。

 酒の肴として、鳥もつ鍋(690円)を注文すると、奥の厨房で調理されたあと、両側に持ち手のついた一人用のアルミ鍋で出されます。東京風の甘辛い割り下で煮込まれた鳥もつ鍋は、鶏のレバー、砂肝に、豆腐、麩、玉ネギ、コンニャクを一緒に入れて煮込んだもの。一緒に出される刻みネギをたっぷりとのせて、七味唐辛子を振りかけていただきます。

 「鍵屋」には、この鳥もつ鍋の他にも、とり皮なべ(690円)、煮奴(580円)、そして秋冬のみの湯どうふ(730円)と、鍋物メニューも充実していて、燗酒をじっくりと楽しむことができるのです。

 ボリュームたっぷりの鳥もつ鍋に、燗酒をもう1本、今度は桜正宗をいただいて、1時間ほどの滞在は1750円でした。冬場はやっぱり鍋に燗酒ですね。

店舗外観 店内 鳥もつ鍋
大正時代の建物の風格は、何よりの肴 年季の入った店内は、酒をいっそう美味いものにする 熱々の鳥もつ鍋と熱燗は、冬の定番

【お店情報】
店名: 鍵屋(かぎや)
電話: 03-3872-2227
住所: 台東区根岸3-6-23-18
営業: 17:00-22:00(21:30LO)、日祝休

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浜田信郎

1959年、愛媛県生まれ。造船会社で働く設計士。サラリーマンの傍ら、名店酒場を飲み歩く。その成果を綴ったブログ「居酒屋礼賛」は、呑んべいに大人気。著書に『酒場百選』(ちくま文庫)がある。


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