ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
人生の99%は思い込み――支配された人生から脱却するための心理学
【第13回】 2015年6月24日
著者・コラム紹介バックナンバー
鈴木敏昭 [心理学者]

あなたの見ている世界は間違ってる?
いつのまにか侵される4つの「認知バイアス」

1
nextpage

これまでの連載から実は私も思い込みに支配されているかも……と思った方も少なくないのでは?『人生の99%は思い込み』の著者である心理学者の鈴木敏昭がさらに思い込みの正体に迫る。思い込みは4つの「認知バイアス」からなり、また「強い信念」の正体も実のところは思い込みだという――。

思い込みを生み出す
「認知バイアス」に気をつけろ

 日曜の夜になると、「明日から会社か……」と憂鬱になるビジネスマンは多いだろう。憂鬱になる出発点は、「仕事はつらいもの」という思い込みがあるからだろう。仕事が楽しいと思い込んでいるなら、期待や興奮といった心の働きにつながり、日曜の夜も気持ちよく過ごせるはずだ。
 このように、同じ事柄であっても、その人の思い込みによって楽しくなることもあれば、つらくなることもある
 これを「認知バイアス」という
。まずは、どういった認知バイアスがあるのかを把握しておくことが大切だ。
 ここでは主に4つのバイアス「決めつけの思考」「欲望」「感情」「自己意識」をご紹介しよう。

バイアス1.決めつけ思考
 心理学用語で「スキーマ」という言葉がある。これは心の枠組みを意味する。
 世の中には偏見が満ち溢れている。たとえば、髪を金色に染め、派手なメイクをし、原色の派手な服を着ている女性が子どもを連れて歩いていると、「ヤンママだ」「ちゃんと子育てをしていなさそう」「家事もちゃんとやっていないんだろうな」と思う人は少なくないだろう。
 このような偏見は、スキーマの一種である。「派手な人はいいかげん」と決めつけてしまっているのだ。
 実際は真面目な母親かもしれない。しかし、勝手に「近寄らないほうがいい」と判断し、態度にも露骨に出してしまったりする。
 このようなレッテル張りは、無意識のうちにやってしまっていることが多い。レッテルを張ったほうが楽だからだ。
 人は、とかくそうやって同じ傾向の人たちを分類したがる。そうやって分類して考えたほうが理解しやすいのだ。

バイアス2.欲望
 男性が、街で肌を露出して歩く女性に思わず見とれてしまうのは、それが本能だからだろう。異性に対する欲望という思い込みが「見とれる」という行動を生む。欲望というのは、根源的なある種のバイアスである。
 「本能の赴くままに」という表現がある。
 そう聞くと、考える前に行動しているようなイメージを受けるが、実際にはこうしたバイアスが作用している。
 甘いものばかりを衝動的に食べてしまうのは、「甘いものを食べたい」という欲望があるからであり、その根底には「甘いものを食べられたら幸せな気分になれる」といった認知バイアスがあるからだろう。

1
nextpage
スペシャル・インフォメーションPR
ダイヤモンド・オンライン 関連記事
まいにち小鍋

まいにち小鍋

小田真規子 著

定価(税込):本体1,100円+税   発行年月:2016年11月

<内容紹介>
簡単で安くて、ヘルシー。ポッカポカの湯気で、すぐにホッコリ幸せ。おひとりさまから共働きのご夫婦までとっても便利な、毎日食べても全然飽きない1〜2人前の小鍋レシピ集!「定番鍋」にひと手間かけた「激うま鍋」。元気回復やダイエットに効く「薬膳鍋」や、晩酌を楽しみたい方に嬉しい「おつまみ鍋」など盛り沢山!

本を購入する
ダイヤモンド社の電子書籍
(POSデータ調べ、11/20~11/26)


注目のトピックスPR


鈴木敏昭 [心理学者]

◎1950年東京生まれ。教育学修士(京都大学/1980年)。
◎77年横浜国立大学教育学部卒業後、80年に京都大学大学院教育学研究科(修士課程)修了。85年に京都大学大学院教育学研究科(博士課程)単位取得満期退学。その後、四国女子大学家政学部助教授などを経て、96年より四国大学生活科学部教授。
◎専門分野は心理学。「自己意識の構造」が最大テーマ。その主な下位領域として自尊心、性意識、思い込み、人格形成などを研究。
◎中学2年のときから「自分とはなにか?」に関心があり、以来ずっと「自分」についての研究に没頭している。
◎日本心理学会、日本発達心理学会、教育心理学会、日本社会心理学会所属。著書に『自己意識心理学概説』(北樹出版)、『自己成立の発達心理学』(ふくろう出版)、『思い込みの心理学』(ナカニシヤ出版)などがある。


人生の99%は思い込み――支配された人生から脱却するための心理学

世の中の「常識」もあなたの「性格」もこの世の99%は思い込みでできている。その「思い込み」はいかにつくられるか、またその「思い込み」を外すにはどうすればいいかを探る。

「人生の99%は思い込み――支配された人生から脱却するための心理学」

⇒バックナンバー一覧