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莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

爆買い景気で喜ぶのは尚早
欧州に遅れをとった中国客誘致合戦

莫 邦富 [作家・ジャーナリスト]
【第255回】 2015年6月25日
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 日中関係にある程度の改善が見られたため、ということもあるが、訪日中国人客が急増している。

 2014年の訪日外国人数は1341万人だが、そのうち、訪日中国人客は3位で約241万人。急増していてもまだ3位かと思う方がいらっしゃるかもしれないが、2013年の103万人だった実績と比べてみると、なんと14年の伸び率は83.3%と首位を誇っている。6年連続で100万人規模を維持した訪日中国人客ははじめて200万人という大台を突破した。

 一方、2014年、日本人出国者数が、前年比3.3%減の1690万人(推計値)。中国を訪問した日本人渡航者数は、2007年の397万人がピークだったが、2014年に中国本土を訪れた日本人渡航者数は昨年比5.6%減の271万人となった。

 これまで日中間では、相手国を訪れた渡航者数においては、日本は中国のずっと上を行ってきたが、もうそろそろ逆転の局面を迎えるだろうと思われる。早ければ、今年で逆転するかもしれないという分析もある。

年間1億人以上が海外旅行する中国
努力次第で訪日客はまだまだ増える

中国人客の爆買いは、日本だけの話ではなかった…

 これほどまでに急増する中国人観光客だが、その他の統計データを見ると、伸びしろはまだまだあると容易にわかる。たとえば、2014年、海外(香港、マカオ、台湾も含む)を訪れた中国本土の旅行者数はのべ1億1700万人、初めて1億人という大台を超えた。今世紀初頭に世界観光機関では、2020年に中国人の海外旅行者数が1億人を超えると予測していたが、それを6年も前倒しで実現できたことになる。

 年間1億2000万人も海外旅行をしているとなると、まるで日本の全人口が海外旅行に出ているようなものだ。その意味では、そこからいろいろな課題を見出すことができる。たとえば、この統計から見ると、100人の海外訪問者のなかに、日本を訪れた中国人は大雑把に言うと、5、6人しかいない。

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莫邦富(モー・バンフ) [作家・ジャーナリスト]

1953年、上海市生まれ。85年に来日。『蛇頭』、『「中国全省を読む」事典』、翻訳書『ノーと言える中国』がベストセラーに。そのほかにも『日中はなぜわかり合えないのか』、『これは私が愛した日本なのか』、『新華僑』、『鯛と羊』など著書多数。


莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

地方都市の勃興、ものづくりの精度向上、環境や社会貢献への関心の高まり…中国は今大きく変わりつつある。先入観を引きずったままだと、日本企業はどんどん中国市場から脱落しかねない。色眼鏡を外し、中国ビジネスの変化に改めて目を凝らす必要がある。道案内人は日中を行き来する中国人作家・ジャーナリストの莫邦富氏。日本ではあまり報道されない「今は小さくとも大きな潮流となりうる」新発見を毎週お届けしよう。

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