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中韓の反日姿勢も限界、今こそ国益追求のチャンス

真壁昭夫 [信州大学教授]
【第382回】 2015年6月29日
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“難しい隣人”たちの姿勢が
変化を見せ始めた背景

日韓国交正常化50年の記念式典での朴槿恵(パク・クネ)韓国大統領(6月22日、ソウル)
Photo:AP/AFLO

 今まで反日・嫌日一辺倒だった、“難しい隣人”である中国と韓国のわが国に対する姿勢に少しずつ変化が見られる。

 今年4月、ジャカルタのバンドン会議では、安倍首相と習近平主席との2回目の首脳会談が実現した。5月には、高村正彦自民党副総裁を団長とする日中友好議員連盟と、張徳江共産党全人代委員長との会談が行われた。

 また、二階俊博自民党総務会長と習近平主席との会談が、中国国内のテレビで大きく報道されたという。そうした事例を見る限り、中国側のスタンスは明らかに変化している。変化の背景には、中国経済の減速が鮮明化していることや、AIIB創設に伴うわが国に対する支援要請などがあると見られる。

 一方、“難しい隣人”のもう一人である、韓国の姿勢にも変化が出ている。6月22日には日韓両国で国交正常化50周年の記念式典が開かれた。その前日の21日の外相会談では、韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外相が、日本の世界遺産登録問題で協力する方針を示し、日本との関係改善の意欲をアピールした。

 朴政権は依然として、表面上わが国に対して謝罪を求めているものの、韓国内の一部から「謝罪要請一辺倒の外交では日韓関係を悪化させるばかり」との声も上がり始めている。

 韓国経済の低迷や政権内のスキャンダル、さらには中東呼吸器症候群(MERS)感染の拡大などで朴政権の支持率は低下気味になっており、同政権が打開策の一つとしてわが国との関係改善を図る可能性も考えられる。

 安全保障面では、中国が南シナ海で強引な軍事基地の建設を行ったことに関して、近隣諸国から強い反発を招いている。また韓国にも、中国依存構造に問題が出ている。これから、わが国としてはそうした環境変化を上手く使うことを考えるべきだ。

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真壁昭夫 [信州大学教授]

1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員などを経て現職に。著書は「下流にならない生き方」「行動ファイナンスの実践」「はじめての金融工学」など多数。


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