経営 X 人事
若手社員を辞めさせず成長させる 「適度なかまい方」マニュアル
【第2回】 2008年10月28日
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間杉俊彦 [ダイヤモンド社 人材開発編集部副部長]

部下の昼メシ相手まで干渉するな!
「“過度に”かまう」と「“適度に”かまう」は
こんなに違う!

――対部下コミュニケーションの禁じ手その(2):「過干渉」

 前回は「放置プレーは禁物」と申し上げました。「アフター5まで拘束されるのは嫌だ」という声がある反面で、「でも、適度にかまってほしい」と思っている若手たち。ここでは、入社3年目までの若手を念頭に話しを進めますが、今回は少し極端な例を挙げます。“過度に”かまうことも、また逆効果、というお話しです。

「報・連・相」の悪用は
若手の成長を阻害する

 「適度なかまい方、とか、お前は曖昧なことを言うけどさ」。大手メーカーで営業課長を務める友人の話は続きます。

 「具体的には、どうすればいいんだ?そもそもおれ自身がキチンとかまってもらった経験がないんだ。会社に入って数年のうちにリストラの嵐と、採用凍結。上も下も、ほとんどいない状態だったんだからな」

 私たちが大学を卒業して会社に入ったのは80年代後半のこと。最初は空前の好景気でイケイケの日々でしたが、ほどなくバブル崩壊。皆様もご存知の不況の始まりです。

 「具体的にどうするか、か。それは、おいおい話すとしよう。逆に、かまいすぎたらどうなるか考えてみる、ってのはどうだ?」

 「ああ、若手の私生活まで介入するような行き過ぎの例か?」

 「そういうこともある。報・連・相の悪用、ってケースだ」

 会社に入った新人が、真っ先に教わる仕事のルールに「報・連・相」があります。報告も連絡も相談も、もちろん仕事を進め、成果を出すには必要不可欠です。

 前回お話しした「放置プレー」は、言い換えると上司・先輩が報・連・相に応じないこと、でもあります。あるいは、報・連・相を恣意的もしくは選択的に押し付けるケースもあるでしょう。それは、若手のコミュニケーション意欲を挫き、弱り目の状態での深い孤独に追いやります。

 それとは真逆の「過度な干渉」も、若手にとってはモチベーションの障害になり、成長を阻害する要因となります。

 「そういえば、うちの会社にも1人いるな。オレより4、5歳上だけど」と友人は言います。

 「なんか上司と部下というより、親分・子分っていう意識みたい。ちょっと極端だけど、例えば昼メシに行くのにも“だれとどこに行くんだ”とか、異様にうるさい。社外の人間とのやり取りにも、チェックを入れてる」

 「部下はどんな反応だ?」

 「表面的にはおとなしくしてる。でも、同期との間では文句タラタラみたいだな。」

 「そりゃ、そうだろ」

 「そういえば、彼のところでも今年、何人か辞めたはずだ。たしか新入社員も一人辞めたっけ」

 読者の皆様なら、この過干渉上司の下で働きたいと思いますか?

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間杉俊彦 [ダイヤモンド社 人材開発編集部副部長]

1961年、東京都生まれ。1986年 、早稲田大学第一文学部文芸専修卒業、ダイヤモンド社入社。週刊ダイヤモンド編集部に配属され、以後、記者として流通、家電、化学・医薬品、運輸サービスなどの各業界を担当。2000年 週刊ダイヤモンド副編集長。2006年 人材開発編集部副部長。著書に『だから若手が辞めていく』(ダイヤモンド社刊)

 


若手社員を辞めさせず成長させる 「適度なかまい方」マニュアル

若手社員はなぜすぐに辞めてしまうのか――。放置プレー上司が多い中、早期離職を防ぐためには、若手を「“適度に”かまう」ことが大切。部下を辞めさせることなく成長させる人材マネジメントのノウハウを伝授する。

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