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海外からの「短期移民」が少子高齢化ニッポンを救う

窪田順生 [ノンフィクションライター]
2015年7月10日
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およそ四半世紀に渡って日本を研究してきたイギリス人の「日本人論」が反響を呼んでいる。デービッド・アトキンソン氏。オックスフォード大学で「日本学」を専攻後、来日してからはソロモン・ブラザーズ、ゴールドマン・サックスのアナリストとして活躍し、現在は国宝などの修復をおこなう小西美術工藝社の経営に携わっている人物である。趣味はお茶。京都にはほぼ完璧に再現された町家も所有するほどの知日派イギリス人に、日本の強み弱みとは何か、そしてそれをどう生かしていくべきかを聞いてみた。(聞き手/ノンフィクションライター・窪田順生)

日本が高度経済成長をした
本当の理由とは?

――独自の視点で日本の強み弱みを分析した近著「イギリス人アナリストだからわかった日本の強みと弱み」(講談社α新書)が話題ですが、なぜこのようなテーマに取り組もうと思ったのでしょうか。

 日本の強みと弱みを客観的に分析すれば、これからの日本で伸ばしていかなければいけないのが何かを、一人でも多くの方にわかっていただけると考えたからです。日本人は強みと弱みの話が大好きですからね。

デービッド・アトキンソン
小西美術工藝社代表取締役社長。元ゴールドマン・サックスアナリスト。裏千家茶名「宗真」拝受。1965年英国生まれ。オックスフォード大学にて日本学専 攻。アンダーセン・コンサルティング、ソロモン・ブラザーズを経て、1992年にゴールドマン・サックス入社。日本の不良債権の実態を暴くレポートを発表し、注目を集める。98年に同社マネージングディレクター、06年同社パートナーを経て07年退社。09年に小西美術工藝社に入社し、11年から同社会長 兼社長に就任。著書に『イギリス人アナリストだからわかった日本の「強み」「弱み」』『新・観光立国論−イギリス人アナリストが提言する21世紀の「所得倍増計画」』など。

 たとえば、最近のテレビ番組や書籍でも、日本とどこかの国と比べて優れているとか劣っているというような、残念ながら極めて軽い内容がすごく多いですよね。

 あれはイギリスなどでは考えられません。よその国と比べて自分たちはここが強みだとかふれまわるのは、相手を貶めてしまう恐れもある危険な話だからです。

 ですからなおさら、両国のことを客観的に評価しなければいけないのですが、「日本人は農耕民族だから」というような、曖昧な国際比較が一般的です。

 このように強みと弱みが好きな日本のみなさんに、とにかく手にとって、よりフェアな比較をしたものを読んで頂きたいと思ったのです。もうひとつは「国際比較」というものを、より真剣に考えてもらいたかったのです。

――そうして手にとった人は驚くのではないでしょうか。我々が強みだと信じて疑わないことが、実は勘違いだったというような指摘もありますから。

 そうかもしれません。なかでも講演などをさせていただいて一番驚かれたり、反発を受けたりするのが「日本の高度経済成長」にまつわる話です。日本人に「なぜ日本は世界第2位の経済大国になったのでしょうか?」と質問をすると、技術力だとか勤勉な国民性という答えが返ってきます。確かにそれも一因ではありますが、より精緻に事実を検証する必要があります。

 これまでの著書でも繰り返し述べていますが、日本が経済大国である理由のひとつは「日本が人口大国」だからなのです。ある程度の経済の基礎ができている先進国では、GDP総額は人口に強い相関関係があります。つまり、同じ生産性の国ならば、人口が多い方がGDP上位になるものなのです。

 日本が世界第2位だった時代というのは1億人を超える先進国が米国と日本しかなかった。中国が日本を追い越したのはバブルだとか言われていますが、科学的には当たり前です。

 中国は日本の10倍の人口がいるので、一人当たりのGDPが日本の10分の1程度の水準になっただけでも日本経済の絶対額を抜くのは当然の話なのです。つまり、中国は経済大国にはなりましたが、一人あたりGDPで見ると、まだ先進国ではないのです。

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窪田順生 [ノンフィクションライター]

くぼた・まさき/テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで200件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。
著書は日本の政治や企業の広報戦略をテーマにした『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。


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