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【第92回】 2015年7月13日
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佐々木裕彦 [ネットイヤーグループ取締役 オムニチャネルクラウド事業部長]

企業のメッセージが消費者にまったく届かない時代
「デジタルマーケティング」で何ができるのか

――特別寄稿 セールスフォース・ドットコム「コネクションズ2015」報告

「Connections 2015」基調講演の様子。Salesforce Marketing Cloud担当CEOであるスコット・マッコークル氏 Photo by Hirohiko Sasaki

 6月16日から18日までの3日間、ニューヨーク州マンハッタンのジャビッツセンターで開催された「Connections 2015(コネクションズ2015)」は、CRMソフトウェアで世界最大の売上高を持つセールスフォース・ドットコムが提供する「Salesforce Marketing Cloud」と呼ばれる製品に特化した巨大プロモーションイベントである。

 昨年インディアナポリスで開催されたConnections 2014と比較すると、期間的にも内容的にもやや小ぶりだったが、それでも世界中から1万5000人のCMO、マーケティング担当者、エンジニアを集め、デジタルマーケティングのイベントとしては紛れも無く世界でトップクラスの規模だった。

 個人的には、このイベントがニューヨークで開催されたことに意義を感じている。セールスフォース・ドットコムは、2年前からSalesforce Marketing Cloudの販売を開始しマーケティング業界に参入したわけだが、同社は「サンフランシスコを拠点にしたIT企業」というブランドイメージが強い。今回、マーケティングのメッカと言われるニューヨークでイベントを開催したことで、あらためてマーケティング業界参入の意思表明を果たせたかもしれない。

「顧客とつながろう」がキーメッセージ

 Connectionsは「各界の著名スピーカーによるキーノートスピーチ」「新商品や新機能の発表」「事例紹介」「ハンズオンのトレーニング」「展示会」で構成されている。マーケターにとっては、先端的なマーケティング事例を学んだり、セールスフォース・ドットコムに限らず、スポンサーや出展している企業から最新のマーケティングツールの情報を収集することが主目的だ。

 エンジニアにとっては、Salesforce Marketing Cloudの実装や導入に関する知識を修得することができる。またロックバンドのライブ演奏が入ったり、アルコールを飲みながらの交流会などもあり、参加者に楽しんでもらう仕掛けも充実している。今回のイベントのテーマは、“Connect to your customers in a whole new way.”「お客さまと、これまでなかった全く新しい方法でつながろう」である。ちなみに、2014年は、“The Journey is the reward.”「ジャーニーこそ報われるべきこと」だった。

佐々木裕彦 [ネットイヤーグループ取締役 オムニチャネルクラウド事業部長]

ネットイヤーグループの創業メンバー。近年、大手小売グループのオムニチャネルプロジェクトに参画して以来、企業戦略としてのオムニチャネルの構想策定から実現までに注力。創業からSIPS(Strategic Internet Professional Services)という戦略的にインターネットを活用するためのコンサルティング事業のコンセプトを生み出す。1994年に米国大手広告代理店McCann Erickson社のインタラクティブ部門に参画して以来、デジタルマーケティング、ネットビジネス分野での経験は長い。経営戦略、ブランディング、ユーザーエクスペリエンスデザイン、CRM、Web、ソーシャル、EC、テクノロジー、データ分析まで、デジタルマーケティングに必要な広範囲なナレッジを持ち、多くの大手企業のデジタルマーケティング戦略、Web戦略、デジタル新規事業開発などを支援する。日経BPなどへの寄稿、セミナー実績多数。ニューヨーク市立大学MBA修了。学習院大学法学部卒業。投稿記事「オムニチャネルの世界」


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