ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
モビリティ羅針盤~クルマ業界を俯瞰せよ 佃義夫

過去の大ブームは時代のあだ花?
オートキャンプは日本に根付くか

佃 義夫 [佃モビリティ総研代表]
【第9回】 2015年7月17日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage
子育て家族主体の日本のオートキャンプは、子どもの自立とともに遠ざかる

ファミリー層以外にも人気化
オートキャンプ人口の漸増傾向

 梅雨明けが遅れて猛暑が到来するなか、安倍政権の強権か迷走か、政治問題も熱くなっている。そんななか、シーズン到来に合わせて日本オートキャンプ協会が『オートキャンプ白書2015』を発表した。同白書は、日本のオートキャンプの現状を分析したもので、1986年から日本オートキャンプ協会が毎年、発表している。

 今回は2014年のオートキャンプ事情をまとめたもので、同協会によるとオートキャンプ参加人口は780万人と、2013年に続いて前年を上回った。オートキャンパーの年齢ではファミリー世代が中心となっている現状は変わらないが、20代、50代などファミリー層以外の年齢層の増加が見られ若い世代や子育てを終えた世代の参入が増えており、こうした利用者層の拡がりがオートキャンプ人口を押し上げていると考えられるとしている。

 また、「子どもの頃に家族とキャンプをした経験があるか」という質問に「はい」と答えた人は、20代未満や20代の若者が多く、若い人ほど子どもの頃にオートキャンプを体験した人の割合が多くなっている。このことは、家族でのオートキャンプが確実に浸透していることを示している。

 さらに、訪日観光客が増える中、オートキャンプ場でも訪日キャンパーが増えているとのデータが出ているほか、アウトドアショップなどでも外国人が増えているなど、オートキャンプにも訪日外国人の影響が見え始めている。

 以上は、日本オートキャンプ協会の『オートキャンプ白書2015』の概括記述と発表会見を、そのまま取り上げたものだ。

 これだけを見ると、日本のオートキャンプは2年連続で増えているし、日本でオートキャンプを楽しむ外国人が増えていることがわかる。ただし、日本のオートキャンプの実情については、これまでの流れを踏まえて、現状とのギャップを見ていく必要がある。

 筆者は、新聞社の記者だった1970年代前半、当時のデスクから「オートキャンプの取材をしてこい」という指令を受けて、日本オートキャンプ協会に赴き、「オートキャンプって何ですか?」という初歩的な質問から入った経験がある。

 実は、門前の小僧ではないが、ここから家族ぐるみでオートキャンプにのめり込んだ時期があるのだ。

 オートキャンプとは、「マイカーを使ったレジャーとしてのキャンプ」であった。日本の高度成長期(1965年~)に連動するマイカーの普及や道路の整備で、クルマによる移動が容易になり、週休二日制の実施などでレジャーを楽しむ自由時間が増え始めた時代背景のなかで、欧米スタイルのオートキャンプを日本国内で実践するケースが見られるようになってきたのが、1960年代後半である。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

佃 義夫[佃モビリティ総研代表]

つくだ・よしお/1970年、創刊86周年(2014年2月時点)の歴史を持つ自動車産業日刊専門紙『日刊自動車新聞社』入社、編集局に配属。自動車販売(新車・中古車)・整備担当を皮切りに、部品・物流分野を広域において担当した後、国土交通省・経済産業省など管轄官庁記者クラブ、経団連記者クラブ(自工会分室)と、自動車産業を総合的に網羅し、専任担当記者としてのキャリアを積む。その後、該当編集局内における各分野のデスク・論説担当編集局次長を経て、出版局長として自動車産業オピニオン誌『Mobi21』を創刊。以降、取締役編集局長・常務・専務・代表取締役社長を歴任。45年間の社歴全域で編集・出版全体を担当、同社の「主筆」も務める。日刊自動車新聞社を退任後、2014年に「佃モビリティ総研」を立ち上げ、同総研代表となる。


モビリティ羅針盤~クルマ業界を俯瞰せよ 佃義夫

「自動車」から「モビリティ」の時代へ――。クルマ業界が変貌を遂げつつあるなか、しのぎを削る自動車各社。足もとで好調を続けるクルマ業界の将来性と課題とは、何だろうか。日本の自動車産業・クルマ社会をウオッチしてきた佃義夫が、これまでの経験を踏まえ、業界の今後の方向・日本のクルマ社会の行方・文化のありかたなどについて、幅広く掘り下げ提言していく。

「モビリティ羅針盤~クルマ業界を俯瞰せよ 佃義夫」

⇒バックナンバー一覧