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Close-Up Enterprise

東芝、会計管理の呆れた実態
不正を誘った究極の社内論理

週刊ダイヤモンド編集部
2015年7月21日
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東芝の不適切会計問題が、大詰めを迎えている。第三者委員会の調査により、歴代3社長の下で、営業利益が1700億円水増しされていた構図が判明し、組織的な不正が認定される見通しだ。これほどの不正がどのようにしてはびこってきたのか。真相に迫った。(「週刊ダイヤモンド」編集部 池田光史、鈴木崇久、森川 潤)

第三者委員会は、歴代3社長から聞き取りをしているが、まだ公の場には、田中社長しか姿を見せていない Photo:REUTERS/アフロ

 「まさか、ここまで深刻な問題になるとは、想像していなかった」。ある東芝の関係者はこうこぼした。

 4月に疑惑が持ち上がった東芝の「不適切会計」問題は、底なし沼のように次々と不正が判明しつつある。5月に設置された第三者委員会による調査で、2014年3月期までの営業利益の水増しは1700億円を超える規模になることが明らかになった。さらに、半導体部門で、利益減少に伴う繰延税金資産の取り崩しなどが発生し、最終的な損失額は全体で3000億円規模にまで上りそうだ。

 しかも不正は、全社で組織的に行われていた実態が明らかになりつつあり、第三者委員会は歴代社長の責任を厳しく追及している。特にインフラ部門では田中久雄社長と、前社長の佐々木則夫副会長が、損失計上を実質的に先送りするよう指示していたとみられ、引責辞任する方向となっている。

 さらに、問題は2代前の社長の西田厚聰相談役にまでさかのぼる見込みで、第三者委員会は、歴代経営陣で引き継がれてきた「組織的な不正」を、間もなくまとめる報告書で認定する見通しだ(本稿執筆は15日)。会社の存続に関わる致命的な危機といえるだろう。

 とはいえ、東芝ほどの伝統ある大企業で、これほどまでの不正がはびこってきた背景はどこにあるのか。週刊ダイヤモンドは社内外の関係者たちの証言をたどってみた。

現場の適切報告を
受け取り拒否し
責任は押し付け

 「こんなの受け取れるか!」

 ある東芝の関係者は、佐々木氏が社長時代に、インフラ部門が上げた中期経営計画の予算数値を突き返していたのを何度も目の当たりにした。この部門は毎年、マーケットの状況や今後の受注見通しを積み上げて作成した中期計画を提出するが、目標が佐々木氏の意にそぐわないと「受け取れない」と拒否されたという。

 部門のトップは何度も佐々木氏に数値を提出するが、ことごとく押し返され、そのたびに、「上からドンと予算数値が積み増された」(東芝関係者)という。そうして出来上がった予算数値は「スタート時点から達成できない非現実的なもの」(同)となっていた。

 当然、新年度が始まると、実際の事業が予算通りにいくことはほぼない。部門の担当者からすると、そもそも予算が達成不可能なのが原因だが、経営陣は「おまえらがやれると言っただろう!」と責任を部門に押し付けたという。

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