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マクドナルドとペヤングに学ぶ
「マスコミから面白がられない」方法

窪田順生 [ノンフィクションライター]
2015年2月5日
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実は日常茶飯事の異物混入
マスコミは多くのタレコミをボツにする

 ゴキブリ、コオロギ、金属片、人の歯、ビニール片……昨年末から年明けに世間を騒がした食品の異物混入騒動がようやく一段落した。

 毎日のように日本のどこかで異物混入が発見されて大騒ぎになるということが繰り返されたこの1ヵ月、企業の報道対策をしている関係で、「異物混入事件が増えている理由はなんでしょう」という質問をよく受けるのだが、その度にこんな内容のことを答えている。

マスコミから「面白い」と思われてしまったことが、マック炎上の最大の原因だ

 「別に増えてはいないと思います。マスコミの“異物混入報道”が増えているだけで、増えたように見えるだけですよ」

 食品業界や外食業界にお勤めの方ならばよくわかると思うが、どんなに安全管理をしていても、どんなに素晴らしいシステムを運用していても、「異物混入」は一定の割合で発生してしまう。もちろん、日本は世界でもトップクラスの食の安全を誇り、各社さまざまな努力をしているのだが、それでも「100%ない」とは言いきれない現実がある。

 実はそれはマスコミもよくわかっている。新聞社の支局なんかにいれば、この手の消費者トラブルは山のように寄せられるし、週刊誌でもテレビでも同様のタレコミは多い。では、それを右から左へ報じていくかといえばそんなことはない。大規模な自主回収や損害賠償請求などとなればやや大きくは報道されるが、「店長が商品券をもって謝罪に行った」なんて話はほとんどボツになる。

 今回、“異物混入のデパート”のように報じられたマクドナルドで3年前、マフィンを食べた男性が、中に混入していたナットをガリッとやって前歯が欠けるということがあったが、地方紙がポツンと報じたくらいでマスコミは追わなかった。その少し前に、ショウジョウバエが入ったオレンジジュースを飲んだ子どもの気分が悪くなって病院へ担ぎ込まれた時も、ベタ記事扱いで続報なしだった。

 今回大騒ぎになった「人の歯」というのも大問題ではあるが、「健康被害」という点ではこの2つの方がより深刻だ。にもかかわらずスルーされたのは、ちょっと本気になって洗い出せば山ほど出てくる、ありふれた消費者トラブルだからだ。

 では、そんな「よくある話」を、なぜマスコミは昨年末から年明けにかけてたて続けに大きく取り上げたのか。それは一言で言ってしまうと、「そういう報道トレンドができていた」からだ。

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窪田順生 [ノンフィクションライター]

くぼた・まさき/1974年生まれ、学習院大学文学部卒業。在学中から、テレビ情報番組の制作に携わり、『フライデー』の取材記者として3年間活動。その後、朝日新聞、漫画誌編集長、実話紙編集長などを経て、現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌でルポを発表するかたわらで、報道対策アドバイザーとしても活動している。『14階段――検証新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。近著に『死体の経済学』(小学館101新書)、『スピンドクター“モミ消しのプロ”が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)がある。


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