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アメリカ、ロシア、中国、イスラム圏を知ればこの複雑な世界が手に取るようにわかる
【第3回】 2015年8月5日
著者・コラム紹介バックナンバー
惠谷 治 [軍事ジャーナリスト]

「世界の警察官をやめる」と宣言したオバマ大統領

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新聞やTVの断片的な情報だけでは、めまぐるしく変わる世界情勢は根本的には理解できない。ニュースの前に、知っておくべき基礎知識というのがある。
私の『アメリカ、ロシア、中国、イスラム圏を知れば、この複雑な世界が手に取るようにわかる』という著書の中で、この「知っておくべき」基礎知識を集めたが、今回は「世界の警察官をやめる」というオバマ大統領の発言は、世界にどんな影響を与えるかを解説する。

「世界の警察官をやめる」と宣言したオバマ大統領

 オバマ大統領は、シリア内戦に関するテレビ演説で、退役軍人などから、「米国は世界の警察官でなければいけないのか」という書簡を受け取ったことを明らかにし、次のように述べた。

 「米国は世界の警察官ではないとの考えに同意する」。

 第2次世界大戦後、アメリカは世界の安全保障を担ってきた。冷戦終結以後、超大国はアメリカ一国だけなので、この発言は世界情勢の不安定化を加速させかねない問題である。

 この発言の背景にあるのは、深刻な不況により、国際的な危機が起こっても、ただちに米軍を投入することはできないという財政の問題がある。

 もうひとつは、2001年から2010年にかけてのアフガニスタンやイラクへの「対テロ戦争」だ。米国内には、多数の米兵が犠牲になったにもかかわらず、直接脅威が根絶できないという厭戦気分も蔓延していた。

 たとえば、昨今のシリア内戦に軍事介入を避けるという消極的な姿勢は、ロシアが大胆にもクリミアを併合したり、中国の南シナ海での積極的な拡大主義などを助長する結果となっている。このオバマ発言は、国際社会の問題解決から逃避するという宣言である。

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惠谷 治 [軍事ジャーナリスト]

1949年、東京生まれの尾道育ち。早稲田大学法学部卒。早大探検部OB。卒業後はアラブ、アフリカなどイスラム圏の戦場や紛争地帯、東西冷戦中は主としてソ連を中心に共産圏を取材する。
民族紛争、軍事情報に精通するジャーナリスト。綿密な取材と、独自の情報源による正確な分析力に定評がある。特に北朝鮮問題に関する分析は、海外のメディアからも注目を集めている。
防衛庁防衛研修所非常勤講師、青山学院大学非常勤講師、早稲田大学アジア研究所客員教授などを歴任。現在、海上保安庁政策アドバイザー、特定失踪者問題調査会常務理事、救う会「拉致の全貌と解決策調査プロジェクト」メンバー、早稲田大学アジア研究所招聘研究員。『西サハラ』『世界危険情報大地図館』『アフガン山岳戦従軍記』『世界テロ戦争』『北朝鮮はどんなふうに崩壊するのか』など著書多数。


アメリカ、ロシア、中国、イスラム圏を知ればこの複雑な世界が手に取るようにわかる

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日々のニュースで流れてくる問題を知ろうとするなら、ニュースのことだけでなく、それに関係する国々の事情も知っておく必要がある。今、世界は複雑になりすぎていて、ニュースから読み取れる断片的な情報では、本質的な意味は分かりづらい。 ニュースを読む力をつけるために、いちばん手っ取り早いのは、「アメリカ」「ロシア」「中国」「イスラム圏」の4つの歴史と状況を知っておくことである。軍事ジャーナリストとしての経験の中から、最低限知っておけばいいトピックスを紹介する。

「アメリカ、ロシア、中国、イスラム圏を知ればこの複雑な世界が手に取るようにわかる」

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