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生活保護のリアル~私たちの明日は? みわよしこ

生活保護世帯受け入れに動き出した大家たちの挑戦

みわよしこ [フリーランス・ライター]
【第19回】 2015年8月7日
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生活保護利用者の住まい探しは、高齢・障害・傷病・ひとり親といったハンディキャップに、さらに生活保護への偏見と知識不足が加わるため、困難かつ不利になりやすい。

この問題を解決したいという思いのもと、「大家さん」たちが動き始めた。

「生活保護の住」の悲劇をなくす?
大家さん向けガイドブック

「ちんたい協会」が提供しているガイドブック。生活保護利用者・高齢者・ひとり親・被災者・外国人など、特別なニーズやハンディキャップを持つ人々に対する住宅供給に取り組んでいる。この他に、空き家問題に関するガイドブックもある

 7月、アパート経営者、すなわち「大家さん」の団体である公益社団法人全国賃貸住宅経営者協会連合会(以下、ちんたい協会)による「生活保護受給者に民間賃貸住宅で安心した生活を送っていただくためのガイドブック」が公開された。このガイドブックは、5月に起こった川崎市の簡易宿泊所火災をきっかけとして、厚労省・国交省の協力と内閣府の後援のもとで作成された。

  生活保護の「住」を考えるとき、最初の、そして最大の問題点は、現在のところ「住むことが可能かどうか」である。ある不動産業者は、生活保護利用者の家賃滞納リスク・失踪リスクを、

 「一般のお客さんでは100人に1人か2人くらいだけど、生活保護を利用しているお客さんでは100人に5人くらい」

 と語る(本連載 政策ウォッチ編・第69回)。

 さらに近年の生活保護利用者の増加の背景の一つは、高齢化の進行に伴う低年金・無年金高齢者の増加でもある。2015年5月、生活保護世帯のうち高齢者世帯の比率は、49.1%であった(厚労省・被保護者調査(2015年5月分概数))。

 人員ベースでは、生活保護利用者に占める65歳以上の比率は、2011年に53.3%となっている。高齢の生活保護利用者に対しては、家賃滞納リスク・失踪リスクに加え、高齢化に伴う認知症などの疾患がもたらすリスクや死亡リスクもある。アパートの経営者が個別に対応するのは困難であろう。そこに生活保護へのスティグマが加われば、生活保護利用者の「住」の選択肢はますます狭くなる。このことは、本来「住居」と考えられるべきではない劣悪な「住」を生活保護利用者たちにもたらす。そこに何らかの不運が重なれば、2015年5月に発生した川崎市の簡易宿泊所での火災に見られるように、生命まで奪われることにもなる(本連載第10回)。

 生活保護利用者が「普通のアパート」で容易に暮らせるようになれば、このような悲劇が減らせることは間違いないだろう。

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みわよしこ [フリーランス・ライター]

1963年、福岡市長浜生まれ。1990年、東京理科大学大学院修士課程(物理学専攻)修了後、電機メーカで半導体デバイスの研究・開発に10年間従事。在職中より執筆活動を開始、2000年より著述業に専念。主な守備範囲はコンピュータ全般。2004年、運動障害が発生(2007年に障害認定)したことから、社会保障・社会福祉に問題意識を向けはじめた。現在は電動車椅子を使用。東京23区西端近く、農園や竹やぶに囲まれた地域で、1匹の高齢猫と暮らす。日常雑記ブログはこちら


生活保護のリアル~私たちの明日は? みわよしこ

生活保護当事者の増加、不正受給の社会問題化などをきっかけに生活保護制度自体の見直しが本格化している。本連載では、生活保護という制度・その周辺の人々の素顔を紹介しながら、制度そのものの解説。生活保護と貧困と常に隣り合わせにある人々の「ありのまま」の姿を紹介してゆく。

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