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イトイ式 コトバの解体新書 ~吉本隆明がくれたホンモノの言葉~

「エコロジー」って何だ???

――エコブームのいま、本当の意味を考える

糸井重里 [コピーライター/「ほぼ日刊イトイ新聞」編集長]
【第2回】 2008年7月2日
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 今回、取り上げるテーマは、「エコロジー」です。「エコ」とは一体何なのか――。 

 ここのところ、世間ではエコに対する意識が高くなり、「地球温暖化」という言葉をよく耳にします。テレビCMや新聞、雑誌、あちこちで「地球を守ろう!」とか、「自然を大切に」とか、「私たちは環境保護に貢献しています」などという言葉が目に入ります。ある意味、「エコブーム」と言ってもいいかもしれません。

「エコ」に縁がなかった僕に
エコ番組への出演依頼が!?

糸井重里 しかしこれまで僕は、「エコ」というテーマから遠いところにいました。僕はどちらかというと、みんなに騒がれているテーマを前にすると、かえって黙ってしまうタイプの人間。なんだか、「エコ」を通して「良いことをしましょう!」と声高に言い合っていることに抵抗を感じていたのでしょう。

 ところが、その僕が「エコとは何だろう?」と真剣に考えるときが来ました。それは何故か――。僕のところに、NHKから環境特別番組への出演依頼が来たのです。僕の役割は何かというと、日本上空を飛行船で旅するというもの。高度300メートルの上空にある飛行船の中から、温暖化によって日本列島に何が起きているのかを見つめるという企画です。エコに対して沈黙してきた僕のところに、突然やって来たエコ番組出演の話。しかも、生放送(!)だというのです。

 「僕は番組の中でエコというテーマを前に、自分がどのような立ち位置についたらいいのだろう」、「でも、実をいうと飛行船には乗ってみたい……」。正直、僕は悩みました。エコ活動を推進する「いい人」という役割を演じるのはイヤだったのです。

吉本隆明
吉本隆明
1924年、東京都生まれ。「戦後思想界の巨人」と呼ばれ、1968年に発行した著書「共同幻想論」は当時のベストセラーに。詩人・文学評論家でありながら、社会、政治、宗教まであらゆるジャンルを扱う。著書に『ハイ・イメージ論』『超「戦争論」』など多数。

 僕は決して、地球を汚さないようにしようと日々活動している人たちに反対意見を言うつもりはありません。こまめに電気を落とす人の邪魔をするわけでもないし、誰の考えがいちばん正しいのかを追跡するつもりもない。でも、地球温暖化の「犯人」を捕まえるようなことはしたくなかった。僕は番組の中で、どのような立ち位置につき、どのような発言をしたらいいのかを真剣に考えていました。

 そこで僕は、吉本さんを訪ねました。

 「どうしたら視聴者に対して、ちょうどいい立場で発言できるのでしょうか」

という僕に対して、吉本さんの答えは意外なものでした。

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糸井重里 [コピーライター/「ほぼ日刊イトイ新聞」編集長]

1948年、群馬県生まれ。1968年デザイン会社に就職。73年にフリーのコピーライターに。「不思議、大好き。」(82年)、「おいしい生活」(83年)などのキャッチコピーで一世を風靡。98年に「ほぼ日刊イトイ新聞」を開設。現在では、1日140万ページビューを超える人気サイトに。「ほぼ日手帳」など人気商品も多数手がける。「悪人正機」「言いまつがい」など著書多数。
『ほぼ日刊イトイ新聞』 http://www.1101.com/


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糸井重里が人生の師と仰ぐ、思想家・吉本隆明。吉本氏は「ホンモノの言葉」を与えてくれる人だという。言葉の洪水に流され続ける現代人に向けて、ホンモノを見つけることの大切さをイトイ流に語ります。

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