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小宮一慶の週末経営塾

稼ぐ会社は社員に「経済的幸せ」より「働く幸せ」を与えている

小宮一慶
【第16回】 2015年8月8日
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給与だけで社員のモチベーションを
上げようとするのは危険

前回は、「モチベーションより働きがい」というお話をしましたが、今回はそれに大きく関連する「会社が働く人たちに与えられる幸せ」ということについて説明しましょう。

 私は、会社が働く人たちに与えることのできる幸せは、次の二つだと思っています。

 「1.働く幸せ」と、「2.経済的な幸せ」です。あえて、順番をつけてあるのはこの順番を決して間違ってはいけないからです。多くの会社で、経済的な幸せを優先しています。その結果、「金の切れ目が縁の切れ目」のような会社になっているのです。

あなたの会社の社員たちは働く幸せを感じているか?

 私は、働く人たちに経済的幸せを与えるなと言っているのではありません。むしろ逆です。働く幸せを十分に感じている人の方が、結果として稼ぐことができるのです。

 働く幸せとは、働くことによってお客さまや周りの人に喜んでもらい、そのことが働きがいとなることです。さらには、働く幸せとは、働きがいを高め、働くことによって自己実現できる幸せを得ることです。仕事を通して、「なれる最高の自分」になるということです。素晴らしいことだと思いませんか。

 「経済的な幸せ」とは、言うまでもなく「お金」などの物質的な幸せを意味します。子どもの教育や、やりたいことをやるのにお金がないと不自由ですから、働いたらその分、報酬が増えるとなれば、モチベーションは上がります。

 ただし、先ほども述べたように、順番を間違えて「お金」を追い求めるのが最優先ではダメなのです。給与だけでモチベーションを上げ続けると会社の経営がおかしくなります。お客さまのことや働く周りの人への関心が薄らぐからです。あくまでも働く幸せを感じて「働きがい」を高めながら、良い商品やサービスを提供した結果、売上や利益が上がり、それが働く人たちの「経済的な幸せ」という形で還元される。これが正しい順番です。

 松下幸之助さんは「働くことそのものの喜びをお金に代えられると思っているうちは、本当の仕事の喜びを知らない」とおっしゃっています。長者番付1位を10年連続で続けられた20世紀の日本の最高の経営者の言葉です。働く喜びをいかに感じるかが、企業経営においてとても大切なことなのです。それは、経営者自身も同じです。

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小宮一慶

京都大学法学部卒業。米国ダートマス大学タック経営大学院留学(MBA)、東京銀行、岡本アソシエイツ、日本福祉サービス (現、セントケア)を経て独立し現職。名古屋大学客員教授(平成26年度後期)。企業規模、業種を超えた「経営の原理原則」を元に、幅広く経営コンサルティング活動を行う一方、年100回以上講演を行う。『ビジネスマンのための「発見力」養成講座』(ディスカヴァー21)など著書は100冊を超え、現在も経済紙等に連載を抱える。


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経営課題を抱えて日々悩む経営者に向けて、数々の企業経営者に伴走してきた経営コンサルタントの小宮一慶氏が課題解決の「ヒント」を提供。どんな業種にも通じる経営の原理原則をおさえながら、経営者はどうあるべきか、実際の経営現場で何を実行すべきか、を語る。

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