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安東泰志の真・金融立国論

「地方創生」の重責を地元金融機関に押し付ける
政府の無責任

安東泰志 [ニューホライズン キャピタル 取締役会長兼社長]
【第60回】 2015年8月10日
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地域経済の活性化は、安倍政権にとっても重要課題だが…

 「ローカル・アベノミクス」などとも呼ばれている安倍政権の地方創生だが、政府が6月30日に決定した基本方針においては、地域金融機関に大きな役割が期待されている。しかし、そもそも地方にもアベノミクスが必要なのだろうか。また、地域金融機関はその重責を担えるのだろうか。

地方創生で地域金融機関に
政府が寄せる多大な期待

 現在、省庁横断的な組織として「まち・ひと・しごと創生本部」が、2015年度末までに「地方版総合戦略」を策定する作業を進めている。6月30日に閣議決定された「まち・ひと・しごと創生基本方針2015」では、地域金融機関の役割について以下のように多数記載されており、政府からの期待の大きさがわかる。

●DMOと連携した地元地域金融機関と日本政策投資銀行による民間事業化支援
(注:DMOとは、Destination Management/Marketing Organizationの略で、様々な地域資源を組み合わせた観光地域づくりの推進主体)

●ローカル経済圏を担う企業に対する経営判断や経営支援等の参考となる評価指標を整備し、地域企業に対する産業・金融の支援策における活用を図る

●地域金融機関等設立のファンドや日本政策投資銀行の特定投資業務等を含め、地方向けエクイティファンドの活用等を促す

●円滑な事業整理のための支援として、経営者保証ガイドライン(連載第44回参照)の利用促進、自己査定上の扱いの周知等により廃業しやすい環境の整備

●地域金融機関の持つビジネスマッチング機能の強化

●都市のコンパクト化等においては、戦略の企画や策定の段階から、各都市で事業活動を行なう地域経済界や金融機関等必要な投融資を行なう主体の参画を促す

●創業支援等の分野において、民間金融機関と政府系金融機関との具体的な協働案件の発掘・組成

●各地域にプロフェッショナル人材戦略拠点を設置し、地域金融機関、民間人材ビジネス事業者などと密接な連携を図りつつ、都市部のプロフェッショナル人材の地方への還流を促す

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安東泰志 [ニューホライズン キャピタル 取締役会長兼社長]

東京大学経済学部卒業、シカゴ大学経営大学院(MBA)修了。1981年に三菱銀行(現三菱東京UFJ銀行)入行、1988年より、東京三菱銀行ロンドン支店にて、非日系企業ファイナンス担当ヘッド。90年代に英国ならびに欧州大陸の多数の私的整理・企業再生案件について、参加各行を代表するコーディネーターとして手がけ、英国中央銀行による「ロンドンアプローチ・ワーキンググループ」に邦銀唯一のメンバーとして招聘される。帰国後、企画部・投資銀行企画部等を経て、2002年フェニックス・キャピタル(現・ニューホライズンキャピタル)を創業し、代表取締役CEOに就任。創業以来、主として国内機関投資家の出資による8本の企業再生ファンド(総額約2500億円)を組成、市田・近商ストア・東急建設・世紀東急工業・三菱自動車工業・ゴールドパック・ティアック・ソキア・日立ハウステック・まぐまぐなど、約90社の再生と成長を手掛ける。事業再生実務家協会理事。著書に『V字回復を実現するハゲタカファンドの事業再生』(幻冬舎メディアコンサルティング 2014年)。
 


安東泰志の真・金融立国論

相次ぐ破綻企業への公的資金の投入、金融緩和や為替介入を巡る日銀・財務省の迷走、そして中身の薄い新金融立国論・・・。銀行や年金などに滞留するお金が“リスクマネー”として企業に行き渡らないという日本の問題の根幹から目をそむけた、現状維持路線はもはや破綻をきたしている。日本の成長のために必要な“真”の金融立国論を、第一線で活躍する投資ファンドの代表者が具体的な事例をもとに語る。

「安東泰志の真・金融立国論」

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