柏の葉スマートシティ
さまざまな課題解決を
複合的に進める

kashinoha「柏の葉キャンパス」駅前。右手がららぽーと柏の葉


 「秋葉原」駅からつくばエクスプレスで30分。「柏の葉キャンパス」駅を中心に、柏の葉スマートシティが広がっている。

子どもの数が多く、広場やマンションの共用施設が交流の場となっている

 元は広大な三井柏ゴルフ場だったところに駅ができ、「柏の葉国際キャンパス構想」に基づき、公(千葉県、柏市)、民(三井不動産グループ、市民、NPO)、学(東京大学、千葉大学)が連携して、街づくりが進められている最中だ。

 まずは開発面積12.7万平方メートル、5000人が住む街ができ、15年後の30年には面積を273万平方メートルに拡大、人口2万6000人の街にしていく壮大な計画である。

 その目標は、省・創・蓄エネルギーや次世代モビリティが普及した環境共生都市、新たな産業を生み出す新産業創造都市、食と農と予防医学を通した健康長寿都市など、限りなく高い。今の日本が抱えるさまざまな課題を、街づくり、コミュニティ醸成を通して、解決していこうとしている。

「普通のデベロッパーはマンションを売り、引き渡したら仕事はおしまいで、アフターサービスが続くだけ。それがこの街は成長し続けるわけですから、分譲したらお客さまはご近所さんになり、一緒に街を良くしていきましょうとなります。これは、かなり特殊です」(三井不動産レジデンシャル千葉支店開発室主管・吉崎典孝氏)

 街づくりに関わる企画や運営、実証実験、事業創出などは、柏の葉アーバンデザインセンター(UDCK)が担う。住民も大学もマンションデベロッパーも、UDCKのメンバーだ。

 例えば「街に保育園が足りない」という事態が起きたら、皆で市に陳情に行く。そうした働きかけの結果、柏の葉キャンパス二番街には速やかに保育園の分園を設置することができた。