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市場の混乱はいずれ収束、怖いのはその後の“大嵐”

真壁昭夫 [信州大学教授]
【第391回】 2015年8月25日
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投資家の不安心理が増幅
一定期間はリスクオフが続く

 足元で、金融市場が荒れた展開になっている。世界の主要株式市場が軒並み急落する一方、為替市場では今まで強含みの展開を続けてきたドルが売られ、円やユーロが買い戻された。

 今回の金融市場の動きは、大手投資家中心にリスクを軽減する、いわゆるリスクオフの動きが増幅されていると見ると分かりやすい。その背景には、中国経済の減速が、市場関係者の予想をはるかに上回るペースで鮮明化したことがある。

 中国経済の急速な減速で、同国向けの輸出依存度の高いアジア諸国や、資源輸出の割合の高いオーストラリア、ブラジルなどの諸国の経済に、大きなマイナスの影響が波及する。また、原油や銅などの価格は軒並み大幅下落した。

 そうした状況下では、投資家が「世界経済はどうなるのだろう」と不安を抱くのは当たり前だ。投資家の不安心理が増幅されると、誰でも「価格変動性の高い株式や、為替などのリスク資産を減らしておきたい」という行動に走る。それがリスクオフだ。

 投資家は、できるだけ利益を確定させる一方、保有する持ち高=ポジションから、価格変動性の高いリスク資産を減らして、米国債などの安全資産と言われる資産の割合を増やすのである。

 今回のように大手投資家のリスクオフが本格化する場合、一定期間、そうした動きが続くことを覚悟した方がよい。彼らのポジションはかなり多額であることを考えると、リスクオフを実行するためには相応の時間がかかる。

 また、今回の混乱の主な原因となった中国経済に関しては、早晩、政府の景気対策が下ると予想されるものの、その効果を見極めるためには、少なくとも数ヵ月は必要だ。

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真壁昭夫 [信州大学教授]

1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員などを経て現職に。著書は「下流にならない生き方」「行動ファイナンスの実践」「はじめての金融工学」など多数。


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