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高まる中国株バブル崩壊リスク
世界経済が大荒れとなる恐れ

真壁昭夫 [信州大学教授]
【第377回】 2015年5月25日
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急上昇する中国の株価
欧米の投資家も買い増しに動く

金融緩和による金余りで、中国国内のみならず世界から資金が流れ込んでいる
Photo:xy-Fotolia.com

 足元で、中国の株価が急上昇している。3月の末に3700ポイント台だった上海総合株指数は、4月の高値4500ポイント台まで一挙に20%以上、上昇した。その後、振れ幅の大きな展開を続けているものの、5月22日現在、4600ポイント代の推移となっている。

 上海総合株指数の大幅上昇の背景には、中国政府の金融緩和策に対する期待がある。同国の経済専門家にヒアリングしても、中国の投資家、特に個人投資家の間で、さらに金融緩和策が実施され、投資資金が流入するとの期待が高まっているようだ。

 そうした期待が株価急騰の主な要因になっており、買うから上がる、上がるから買うというバブル形成のサイクルができている。

 一方、実体経済に目を転じると、従来、成長のエンジン役だった輸出も伸び悩み傾向が鮮明化している。企業業績の伸びもそれほど期待できる状況ではない。株価が急角度で上昇するだけの材料は見当たらない。 

 ただ、欧米の大手投資家の中には、成長鈍化を予想して中国株の持ち高を引き下げたものの、予想外に同国株が上昇したことから、慌てて買い増しに動いたところもあるようだ。

 期待先行で急上昇した株価に企業業績が追い付ければよいが、それができないと、結果的には株価は大きく調整する可能性が高い。株式バブルが弾けると、中国経済の先行きは一段とリスクが高まる。チャイナリスクは着実に大きく高まっている。

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真壁昭夫 [信州大学教授]

1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員などを経て現職に。著書は「下流にならない生き方」「行動ファイナンスの実践」「はじめての金融工学」など多数。


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