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平井 陽一朗の人材「共育」日誌

成長したいなら、ブラック企業に行け!
内田和成×平井陽一朗対談【前編】

平井陽一朗 [ボストン コンサルティング グループ パートナー&マネージング・ディレクター]
【第6回】 2015年9月4日
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早稲田大学ビジネススクール教授・内田和成氏(左)に、BCGパートナー・平井陽一朗氏が、若手の成長観と人材育成のポイントを伺った
photo:DOL

人はどう育つのか、どう育てるのか――。

前回まで、この連載のテーマについて、私自身の経験や身近な方々のエピソードを通してお伝えしてきました。今回は、ボストン コンサルティング グループ (BCG) の大先輩で、2004年まで4年半、BCGの日本代表を務められた早稲田大学ビジネススクール教授の内田和成さんに、今の学生や若手社会人が持つべき成長観と、人材の採用・育成のポイントを伺いました。対談は、内田さんらしい鮮やかな切れ味の第一声から始まりました。(構成/ダイヤモンド・オンライン編集部 安田有希子)

力をつけたいなら
ブラック企業に行け!?

内田 “力をつけたかったら、世間で言われているブラック企業に行け”というのが私の持論です。

平井 おぉ~!素晴らしい。

うちだ・かずなり
早稲田大学商学学術院教授。東京大学工学部卒業。慶應ビジネススクール修了 (MBA)。日本航空、ボストン コンサルティング グループ (BCG) を経て、現在に至る。2000年6月から 2004年12月までBCG日本代表を務める。ハイテク、情報通信サービス、自動車業界を中心にマーケティング戦略、新規事業戦略、中長期戦略、グローバル戦略の策定、実行支援を数多く経験。2006年度には世界の有力コンサルタント、トップ25人に選出。 2006年4月より現職。

内田 なぜなら、ホワイト企業に入っても、ぬるま湯では人間は成長できないと思うんですよ。でも、少なくとも私の学部の学生で、このアドバイスを聞く奴はゼロなんだけど(笑)。

 それから企業側も「いい人を採用したい」と言うけれど、それも間違い。世間一般でいう“いい人”は結局、偏差値的なものが“いい人”なのであって、どこの会社から見ても“いい人”なわけです。だから、いざ入社した会社に面白くないことがあったら、さっさと辞めてしまうんですよ。

 何が言いたいかというと、企業は本当に“いい人”を採用したいというなら、その会社が大好きでしょうがなくて、会社に骨を埋めたい、という人を採った方がいいと思います。

平井 そうですよね。

内田 もしメーカーなら、一番僻地の工場に、「何月何日の朝9時に来い」と召集をかけて、そこに早く並んだ人から採用すれば、「内定を辞退したい」と言われることがなくなるはずですよね。それなのに企業の人事は「いやいや、やっぱり優秀な学生を採りたいんです!」なんて言うから、結局辞めてしまう人が後を絶たない…というのが私の持論ですね。

平井 なるほど。実は今、BCG社内でも、そういった議論があります。やはり内田さんのようなどちらかというと“昔派”な意見もあれば、「いやいや、今の若者は昔とは違うんだから、それじゃ時代に対応していけないんだよ」と言う人もいて。私はどちらかというと”昔派”ですかね。

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平井陽一朗[ボストン コンサルティング グループ パートナー&マネージング・ディレクター]

ひらい・よういちろう/ボストン コンサルティング グループ(BCG) パートナー&マネージング・ディレクター。1974年、東京都生まれ。米国の公立高校を卒業後、東京大学経済学部卒業。三菱商事を経て、BCGへ入社。その後、ウォルト・ディズニー・ジャパン、オリコン取締役副社長兼COO、ザッパラス代表取締役社長兼CEOを経て、再びBCGに入社、現在に至る。ネットサービス系企業における経営経験などを活かし、デジタルコンテンツやEコマース領域などを中心に、企業戦略や事業開発、グローバル戦略等、数多くのプロジェクトを手掛ける。


平井 陽一朗の人材「共育」日誌

「育成」は本当に難しい。例え育成の仕組みが充実していても、育てられる側に成長への意欲がなければ成立し得ません。かといって「成長なんて自己責任」で片づけてしまえば、永遠に「育成」というものに対する解を得られません。それでは、育成がうまくいっているように見える会社とそうでない会社とでは何が違うのでしょう。そうした悩みの中で、私平井陽一朗が所属していた三菱商事、ボストン コンサルティング グループ、ディズニーなどの企業で得た経験を振り返り、「育つ」「育てる」という難しいテーマを考える端緒にしたいと思います。人材育成で悩んでいる方や、社会人として成長していく過程にある方にとっても、何かしらのヒントがあるはずです。

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