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小宮一慶の週末経営塾

ブレない経営力を身につけるビジネス書の読み方

小宮一慶
【第17回】 2015年8月22日
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松下幸之助の名著から学ぶ

『道をひらく』松下幸之助著/PHP研究所刊

 今回は私が生涯で最も読んでいる本のお話をしましょう。私の座右の書は、松下幸之助さんの『道をひらく』(PHP研究所)です。昭和43年に発売以来、500万部を突破している本ですが、生きていくうえでの正しい考え方を教えてくれる名著です。

 同書は、雑誌PHPに松下さんが書かれた短い文章を120余りまとめたものです。一つのテーマが見開きで完結していて読みやすいので、私は東京の自宅にいるときは寝る前に欠かさず少しずつ読むようにしています。年に5、6回は読みます。それをもう25年近くは続けているので、100回以上は読んでいると思います。

 ときどき、「同じ本をそんなに何度も読み返して、飽きないのですか?」と聞かれますが、飽きないどころか、毎回、新鮮で、すごく勉強になっています。

 稲盛和夫さんが成功の方程式を「考え方×能力×熱意」とされ、「能力と熱意は0点から100点までだが、考え方はマイナス100からプラス100点まである」とされています。

 それほど成功するための「正しい考え方」を身に付けるということが大切なのです。また、経営者にアドバイスする立場にいるので、自分がブレることは多くの方に迷惑をかけます。松下さんだたったらどう考えられるのか、どう行動されるのかという、私にとっては生き方や経営の「指導書」でもあるのです。

 私はその意味もあり、他の本でも同じ本を何度も読んでいるものがあります。この『道をひらく』ほどではありませんが、論語などの中国の古典や仏教書なども折に触れて同じ本を何度も読んでいます。

 また、多くの方が良いという本もできる限り読むようにしています。森信三先生の『修身教授録』(致知出版社)のように本当に良いものは何度も読んでいます。経営書ではピーター・ドラッカーの本も何度も読んでいます。世の中には良い本が実にたくさんあるものです。

 優れた経営者の書いた本を読むだけ、成功した会社のビデオを見るだけではダメで、何よりも「小さな行動」を徹底することから始めよう、とこの連載でも繰り返し述べてきました。しかし、このことは、「本を読むのはムダ」と言っているわけではありません。

 むしろ、毎日の「小さな行動」を続けながら、正しい考え方を書いてある本を読むことで、自分の考え方のブレを修正することが大切です。私だって、こんな偉そうなことを書いていますがブレます。それを「原点」というべき本を読むことで修正するのです。

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小宮一慶

京都大学法学部卒業。米国ダートマス大学タック経営大学院留学(MBA)、東京銀行、岡本アソシエイツ、日本福祉サービス (現、セントケア)を経て独立し現職。名古屋大学客員教授(平成26年度後期)。企業規模、業種を超えた「経営の原理原則」を元に、幅広く経営コンサルティング活動を行う一方、年100回以上講演を行う。『ビジネスマンのための「発見力」養成講座』(ディスカヴァー21)など著書は100冊を超え、現在も経済紙等に連載を抱える。


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経営課題を抱えて日々悩む経営者に向けて、数々の企業経営者に伴走してきた経営コンサルタントの小宮一慶氏が課題解決の「ヒント」を提供。どんな業種にも通じる経営の原理原則をおさえながら、経営者はどうあるべきか、実際の経営現場で何を実行すべきか、を語る。

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